こんばんは、
相庭です。

何ヶ月か前に
出張で東京の蒲田の商店街をあるいていたら、
携帯ショップの店頭キャッチコピーに

「おもてなしで倍返しするなら、今でしょ!」
と書いてあって、

ここまで乗っかれば、天晴だな~(笑)
とさすがに笑わせられました。

ということで、
今日は「おもてなし」とはぜんぜん関係ないけど
「棚卸し」の話です。

よく自己啓発とか独立起業セミナーで
「自分自身の棚卸しをしましょう!」
みたいなのがありますが、

それでもなくて、
元の言葉の意味通りの、
物販(小売・卸)における
実地棚卸資産を数えることです。

実務的な話で
こうすればラクに儲かる的な知識ではないので
退屈に思うかもしれません。

ですが実は中長期的に着実に
利益を積重ねて、お金を残すには
必要不可欠な知識ですので、

あなたやメルマガの読者さんには
ここらでちゃんとお話しておきたいと思います。

中古品・新品問わず
ebay仕入れ→ヤフオク転売にしろ
国内仕入れにしろ
Amazon、バイマ、ネットショップでも何でも、
マネートラップ的な無在庫販売を除いて、
在庫はどうしてもつきものです。

そして、無在庫販売よりも在庫販売の方が
やはり圧倒的に売れますし
単価も高くできます。

なので、
最初は無在庫販売をメインにしている方でも
売れ筋を把握したり、資金的に余裕が生まれると
部分的にあらかじめ仕入れを行って、
在庫販売に段々切り替えるのがセオリーとなっています。

そうなると必要なのが在庫管理です。
「在庫」=「売れ残り」
とイメージがあるせいか、

あまり積極的に
在庫と向かい合いたい気持ちにならないのが
正直なところかもしれません。

しかし、この在庫の増減状況を
毎月末などにきちんと把握しておくことは
商売上、とても重要です。

その理由は2つあって、
ひとつは
正確な毎月の利益が把握できるようになるからです。

ピンと来ないかもしれませんが、
もう少し詳しくいうと、
正確な「売上原価」が把握できるようになるからです。
(ちょっと難しくなりますが、がんばってついてきて!)

通常、
小売では在庫をちゃんと考慮しないと
(中古カメラの転売でも)

当月の
「売り上げ - 仕入れ(送料・各種手数料含む)」
だけで、粗利を計算することになります。

この場合、
1ヶ月以内で売るつもりの商品が売れ残ったり
来月売るつもりの商品を前もって仕入れておいたりすると、

当月に仕入れた金額を
売上原価としてしまうために、
正確な利益の金額と率を把握することができなくなってしまいます。

ということで、
正確な利益額を出すために
正確な売上原価を求める計算方法は、

『前月末在庫 + 当月仕入 - 当月末在庫 = 売上原価』
『売上 - 売上原価 = 営業総利益(粗利益)』

ということになります。

在庫棚卸しは数が多くなるとちょっと大変になりますが、
実地棚卸(現物を数えて計上する)をしてください。
(相庭は毎月、500~600万円ぶんくらいの棚卸しをしてます)

こうすることで、
毎月、自分が出している
正確な利益を計算することができます。

次に、
在庫をきちんと把握しなければならない
理由の2つ目です。

それは「資金繰りへの影響」です。

「資金繰り」というと、
これまた辛い苦しい会社経営のイメージが感じられて、
あまり積極的に向き合いたくない感じです。

しかし、ビジネスは
見たくない現実もしっかり見極める
という努力が絶対必要です。

リスクを定量的に見極める力を持つことで
はじめてリスクを取る力がつくんですね。

覚えておいてください。
(なんか偉そう)

商売としては仕入れた商品を販売して
代金をキャッシュで回収して
初めて資金繰りが成立します。

一方で、
在庫は商品の販売のために必要なものですが、
当然、何でも多ければいいというものではありません。

アパレルなどの新品物販をしている方は
在庫の陳腐化の影響も受けます。

中古品販売でも
中々売れない商品を仕入れてしまった場合など、
商品を販売できずに在庫が過剰になってしまうと
ただ眠っているだけの不良資産化する恐れがあります。

そうすると仕入れ代金の支払だけが
先行的に発生することはもちろん、
かさばる商品であれば広い事務所や倉庫など、
継続的な保管コストが生じることもあるでしょう。

なので、
適正な在庫量と品目を維持するために
最低でも月に一度は
実地棚卸で現物を確認することが大事なわけです。

お分かりいただけたでしょうか?

というわけで、
ちょっと小難しいかもしれない
しかしとっても重要な「棚卸し」の話でした。

もちろん、
在庫や棚卸しについては
これですべてなわけではありません。

物販に携わっていても、
おそらくほとんどの方が実地棚卸しをせず、
その重要性についても理解していない…
という現状があると思います。

ここまで読んでくださったあなたは、
ぜひご自身のビジネスで意識してみてください。

そしてぜひ、
実地棚卸しを毎月末実践してみてください。

頑張っていきましょうー!

相庭靖史