eコマース大手のアリババとAmazon.comは
ビジネスモデルこそ異なるが、目指すゴールは同じ、
オンライン小売りサイトで世界トップに立つことだ。

Amazon.comは「商品を仕入れ、倉庫を持ち、コストを抑える」
手法であるのに対し、アリババは
「セラーとバイヤーをつないで利益を得る」手法だ。

未来がどちらの手にあるかは、誰にも分からない。
両社とも現在のところ、それぞれ自国の市場で
優位に立っている状況だ。

中国でAmazon.comは、アリババやJD.comよりはるかに遅れを
とっている一方、米国ではアリババの存在を知るものは少ない。

両社とも新市場での販売を積極的に促進しているが、
中には、両社が比較的対等な状況にある国もある。

例えば、マレーシアを見てみよう。

同国では、インターネットを利用する裕福な
ミドルクラスが急増している。しかし生活費が上昇しているため、
消費者はコストに敏感だ。このような状況はまさに
アリババとAmazon.comにとって理想と言える。

マレーシア政府は、オンラインの支払いシステムなど
eコマースに有利なプロジェクトに投資している。

またインターネット販売を支持する文化であることから、
新規参入者のために多くのカンファレンスが設けられたり、
オンライン販売の成功例を語るパネルディスカッションも
数多く行われている。

配送に重要なインフラが整備されていることと、
見込みある客層から、世界最大の不動産サービス会社の
Cushman & Wakefield(非上場)は同国を
「有望なオンラインスター」と呼んだ。

オンラインでの売上はというと、昨年は9億ドル(約900億円)足らず、
小売業の売上総計の3%でしかないが、
今後は急成長することが予測されている。

Amazon.comもアリババも、国ごとに分類して
販売しているわけでも、マレーシア専用のサイトを
設けているわけでもない。

しかし、市場分析会社のEuromonitorによれば、
倉庫はなくともAmazon.comは、2013年には
市場シェア率が26%と、マレーシアでは既に最大の
オンライン小売業になっていると言う。

一方、アリババはSingapore Postと提携したばかりだ。
マレーシアを始め東南アジア諸国に支社を持つSingapore Postは、
アリババが同地域へ商品を輸送するのに強い味方となるだろう。

少なくとも一つの評価として、アリババはAmazon.comに
急速に追いついている。

Amazon.com子会社のツールで、ウェブサイトのアクセス数を
調査するAlexaの情報では、昨年7月の時点でのサイトの
アクセス数で判断すると、Amazon.comはマレーシアの
海外eコマースサイトの首位に立ち、アリババが運営するタオバオは
63位と低かった。

しかし、現在ではタオバオが首位の座を奪い、
Amazon.comは2位となっている。

QUARTZより引用
http://qz.com/214605/to-watch-alibaba-and-amazon-go-head-to-head-keep-an-eye-on-malaysia/