Amazon.comは、新しく12都市でUPS(アメリカの配送会社)を使った
日曜配達サービスを始めた。
Amazon.comは2013年に2都市での日曜配達を始めた際、
UPSと独占契約を結んでいる。

Amazon.comは、UPSとFedExをメインの配送会社として使っている。
しかしAmazon.comと両社は、しばしば緊張関係に陥る。
2013年のクリスマスシーズンに起きた多くの貨物の遅配は、
その最たる原因となった。

この事件はAmazon.comが自社配送サービスの確立に
真剣に取り組むきっかけとなった。
結果、Amazon.comは自社トラックを使い、
試験的に少数都市での食料品の同日配達サービスを始めた。

流通コンサルタントのMarc Wulfraat氏は、
Amazon.comにとっての自社配送システムの難題は、
特に同日配達サービスにおける密度の問題だろう、と言う。

配送で利益を出すためには、
同一ルートに十分な数の配送先が固まっている必要がある。
そうでないとコストがかかりすぎるからだ。

UPSとFedExはこの問題をクリアしている。
両社は他の委託先からも荷物を請け負っているため、
独自ルート上に多くの配送先を持っているからだ。
利益の出る目安はドライバーひとりにつき150件の配達だ。

しかしAmazon.comの同日配達の場合、
自社の荷物だけでは、ルートにより配送先の数に偏りが出て、
ドライバー1人につき150件という目標をクリアできない可能性がある。

Wulfraat氏は、Amazon.comは結局効率の面から見て、
同日配達を他社に委託しないといけないだろう、と言う。
そしてこの効率性の問題はAmazon.comだけのものではなく、
Amazon.comと独占契約を結ぶ他の配送会社にも同じことが起こると語る。

Wulfraat氏は、Amazon.comが同日配達に関して、
他の配送会社とWin-Winの関係を築けるか疑問視している。

荷物配送のほとんどは午前中に行われるが、
Amazon.comの同日配達は夕方に行われる。
もし配送会社が同日配達のみに限定された運送手段を用意するなら、
効率の面から考えて、Walmartなどの大手小売業者が参入しないことには、
利益が見込めないだろう。

ただ、Amazon.comが日曜配達を提供する大都市近辺には、
少なくとも1つの自社供給センターがある。
Amazon.comが、同日配達を含めた将来的なプランに他配送会社を組み込みたいなら、
供給センター近くの大都市はいいテストモデルになるだろう。

そのテストが失敗した場合は、Amazon.comロゴのトラックが道に溢れるか、
消費者がショッピングモールに通い続けるか、どちらかの未来が待っている。

WIREDより引用
http://www.wired.com/2014/05/amazon-post-office/