前半ではAmazonが小売業界に与えた影響について述べた。
後半ではAmazonという企業について問題視されている点を見てみよう。
Amazonは長期的投資でアングロサクソン型資本主義に
戻していると考えることができる。
米国金融市場が四半期決算や株の買い戻しを行う中、
Amazon.comは利益を得るのか新分野に投資するのか選択できることを
株主に明確に示している。そして、必ず投資が選ばれる。
他のテクノロジー関連大手企業が大金を生み出す一方で
Amazonが投資や導入する分野の案を多く持っていることに
投資家は満足しているようだ。
利点は多いが欠点もある。Amazonは卑劣な経営者や脱税、
ライバル企業潰しといった不当な競争で非難されている。
Amazon.comの米国内施設の平均賃金は大型小売店の賃金よりも
30%高いとAmazonは述べている。
それでも税金の支払いがとても低い理由は
利益を挙げていないということにある。
しかし、Amazonは税金の低い国では、
非常に積極的に利益を帳簿に記載している。
また、何年にも渡ってオンライン取引の消費税に対する
反対運動を行っていたが最近になって態度を変えており、
現在は米国内の多くの州で消費税を徴収している。
ライバル企業潰しに関しては、資本主義の残酷な性質による部分が大きい。
Amazonは一般書店を廃業に追いやってはいるが、
同じように、TescoやWalmartも
消費者が安く簡単に購入できるようにすることで
食料雑貨店を廃業に追いやっている。
しかし、独占禁止監査機関は個々の場合に応じて
市場支配力を乱用しないことを確実にしなければならない。
逆に言えば、Amazonの最大の問題点は、
長期的なビジョンがもたらす結果にあるかもしれない。
利益を挙げることを期待していない株主のいる企業と競うことは難しい。
ゼロ利ざやや逆鞘で運営することをいとわないことや
規模の大きさがライバル企業にとって高い障壁になる。
しかしこれが永久に続くことはない。
Amazonが、価格が上がる前にライバル企業が事業から
撤退することを待っているだけなのが問題だ。
もし、監査機関が厳しく取り締まれば
それが別の企業にとってチャンスとなるだろう。
The Economistより引用
http://www.economist.com/news/leaders/21604550-it-has-upended-industries-and-changed-way-world-shops-it-should-beware-abusing
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