6月下旬、Amazon.comが独自のスマートフォンを発表した。
Amazonは、これをコミュニケーションを取るデバイスというよりも
お勧めの商品情報をより的確に提供するために、
データ収集を行うデバイス、或いは、
精巧なショッピングプラットフォームとして考えている。

Amazonは、クラウドコンピューティングや電子書籍、動画配信、
音楽ダウンロードといった事業を展開するだけでなく
世界一優れた物流システムを有している。

それにより直ぐに利益に繋がるマーケットシェアを獲得している一方
Amazonにはユーザのことを把握しすぎているという
少し気持ち悪い印象も受ける。

これまでのところ、Amazonのユーザ情報は
ユーザにとって有益なものとなっているが
今後、更にこれを拡充させ力を持つようになれば
度を越えた危険なものとなるだろう。

Amazonの創設者ベゾス氏が導入したものは
現在世界的に一般的になっているものがほとんどだ。
オンラインで商品を購入する手軽さや安全性をAmazonが証明するまで
クレジットカード番号をウェブブラウザに入力することは危険だと見なされていた。

人々は本をオンラインで購入するようになると、
他のものも購入するようになっていった。
現在の世界のeコマース市場は1.5兆ドル(約151兆円)規模に達している。

顧客レビューも、Amazonで購入者が本を評価しレビューすることから始まった。
小売企業のウェブサイトでは顧客レビューが不可欠ものになっていると言える。

さらに、Amazonは出版業界を2度一変させている。
あらゆる場所で素早く本を入手できるようにし
電子書籍を主流のものにした。

Amazon.comが2007年にKindleの提供を開始する以前は、
電子書籍リーダーは扱いにくいデバイスで使用する人がほとんどいなかった。

Amazonは新型クラウドコンピューティングのパイオニアでもある。
コンピューティング能力を購入するのではなく借りることで
新たに会社を立ち上げることが容易になり費用を大幅に削減できるようになった。
このクラウドサービスから新しい事業が生み出されている。

特定のことを行う企業という固定概念に捕らわれずに
Amazonはデジタル世界の事業に大きな影響をもたらし
以前、影響を与え続けている。

後半へ続く。

The Economistより引用
http://www.economist.com/news/leaders/21604550-it-has-upended-industries-and-changed-way-world-shops-it-should-beware-abusing