過去4年Googleの検索市場での優位に目を光らせてきた
EUの独禁法監督官は、欧州ユーザーの国外サイトの使用を妨げている
域内のオンライン障壁に注目し始めた。

国境を越えたeコマースを契約や技術面で制限している企業があるため、
業界全体を対象にしたオンライン取引きの調査で、
競争が刺激できるかもしれないとEU委員会は3月26日に述べた。

「イタリアに行って靴を買うことができるのに、
家からオンラインで注文しようとすると、
業者がメールアドレスなどから居住地を割り出し、
外国人を拒否することがある」とEU競争委員会の
Margrethe Vestager は独ベルリンでの記者会見で語った。

ヨーロッパ人が域内28カ国のサイトで自由に売り買いや、
商品探しをする機会に恵まれていないのではと当局は懸念し、
欧州デジタル経済の再起動を狙う。

Vestager氏は報道関係、製造業者、オンライン小売業者、
プラットフォーム提供者などから法的・技術的障壁についての情報を取得している。

この調査は「買い物比較サイト」からの苦情も含めた
現行のGoogle検索エンジンの調査に追加される。
2013年にはサムスンとフィリップス、
今月はMetro 社傘下のMedia-Saturn が
エレクトロニクス機器関連のオンライン不正取引きの疑いで飛び込み捜査を受けた。

ECommerce Europeの Leon Moelenberg氏は
小規模オンライン小売店は、商品メーカーが
不正行為(二重価格、販売制限など)をしていても、
商売が取りやめになるなどの報復措置が怖くて当局に報告できずにいるため、
この調査は告白の助けになるだろうと言う。

デジタルコンテンツの共有を制限している障壁も調査する。
EUデジタル出版担当の副会頭Andrus Ansip氏は
「ブラウザーが外国のウェブサイトを拒否するgeo-blockings行為を無くしたい」
としている。

例えば報道関係企業が、海外からのスポーツビデオのオンライン鑑賞を、
ライセンスを理由に制限するなどがその例だ。

21st Century Fox、 Time Warner.、
Warner Brothersなどが有料テレビ会社との
ライセンスについて取り調べを受けている。

Apple iTunesやNetflix などは
音楽ダウンロードやビデオストリーミングに
それぞれの国のライセンスを必要とするため、
ヨーロッパ共通のカタログを用意できないでいる。

geo-blockingsについての調査は
ビデオゲーム業界にも及ぶとVestagerは言う。
ホテルのオンライン予約やスポーツ用品の
価格設定についての調査も強化される。

Apple はかつてEUとダウンロード価格の引き下げ協定を結び、
Amazonは独英と販売制限を取り除くことに合意した。
EUは両社のアイルランド及びルクセンブルクとの税金協定について、
それぞれ調査を行っており、
数ヶ月内に結論を出すだろうとVestager 氏は言う。

EUはまたオンラインプラットフォームの問題解決に
新たな法制定が必要かどうかも検討する。

EUは、ヨーロッパ人が自国以外のサイトでの買い物に
制限を受けている事態を問題視する一方、
「投資場所を厳選してコストを押さえる必要がある、小売り業者」
の事情も理解している(Sanford C BernsteinのアナリストJamie Merriman氏)。

小売業者の団体Eurocommerceは各国でまちまちな
商品表示、安全性、消費者の権利などについての規則も、
業者がヨーロッパ全体で営業するのを妨げていると言う。

Google の取り調べから結論が出るには
かなりの時間がかかりそうだが、
2016半ばまでには中間報告が出る予定だ。

EU委員は3月最後の週までに独金法違反についての
調査開始を正式に許可する見通しだ。

www.bloomberg.com/より引用
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-03-26/eu-probes-e-commerce-in-bid-to-wipe-out-barriers-to-competition