ベトナムではオンラインの小売り総売上げが
2012年以来314%増加、
今年は40億ドル(4千億円)に達する模様だ。

小売店に出かける伝統的な買い物から、
オンラインショッピングへ
消費者行動が移行する新興国の最近の傾向が、
ここでは特に顕著だ。

新興国ではこれまでインターネットは高価で、
使える地域も限られていたため、
一般市民の利用は難しかった。

だが最近は携帯電話が著しく普及したおかげで、
何百万の人がスマホを使って
ネットにアクセスできるようになった。

ベトナムはこの傾向の最先端にある。
同国インターネットユーザーの58%は
携帯でオンラインショッピングをしている。
ニールセン社の示す世界平均の44%より上だ。

ちなみにeコマース先進国のアメリカでは、
携帯を利用したオンラインショッピングは
全体の11%にすぎない(ニューヨークタイムズ)。

米国などの先進国では大手量販店が
法的特権を得て地域の中心や幹線沿いに出店し
消費者の便儀をはかるのがあたりまえだが、
新興国ベトナムでは道路網が複雑で、
商業区画があいまい、駐車場もあまりない。

そんな場所に零細個人商店が乱立しているのが現状だ。
携帯の普及は消費者にとっては便利さの点で大きな進歩になった。

ルイジアナ生まれで政治家でもあったベトナム系アメリカ人、
Don Phan氏はこの機会に目をつけ、
祖国でおむつのオンライン販売 Taembe.comを立ち上げた。

サイゴンでは赤ちゃんのいる若い人はバイクで買い物に出かけ、
おむつの入った大きな箱を荷台にいくつも積み上げて
バランスをとりながら大混雑の、
穴だらけの危険な道を行くのが当たり前だったため、
Taembe.comのおむつ配達は画期的だった。

eコマース現場で先進国と違うのは、
ベトナムのオンラインショッパーの
61%が現金払いをしている点だ。

クレジットカードの普及率が低いことと、
カードを持っている人も、セキュリティーへの不安、
手数料の高さなどからオンラインでの使用を避けがちなのだ。

そんな課題も多々あるが、
貧困を抜け出し新たな購買力をつけた
「消費者階級」がMcKinseyの調べでは新興国全体で420万人にも達した。

モバイル技術の普及で何百万の消費者が
便利なオンラインショッピングに向かう中、
ベトナムeコマースへの海外からの投資資金は増加の一途をたどる。

www.emergingfrontiers.comより引用
http://www.emergingfrontiers.com/article/20314-e-commerce-blossoms-in-vietnam