少ないリスクで世界を相手に商品を売ることができる越境ECは
今後も成長の伸びしろを大いに期待されている分野。
そこで、この数年で大きな成果を上げている2店舗について
その成功の秘訣をさぐってみよう。

■オタク商品で世界の波に乗る
「オタクモード・ドットコム」は外国人向けに
日本のアニメやゲームのキャラクターグッズなど
日本のポップカルチャー商品を扱うサイト。

かねてから、Facebookページを活用して
海外の顧客へ情報発信をしていた。
オタク文化への支持は高く、
「いいね!」の数は今や1700万にも及ぶ。

しかし、海外からネットで商品を購入するには数々のハードルがあった。

AmazonやeBayといった購入サイトはあるが、
「限定商品が手に入らない」、「本物かどうか疑わしい」、
といった不安がある。
日本語サイトでの購入に二の足を踏むユーザーも多かった。

このようなハードルを乗り越えるため、
オタクモード・ドットコムは2013年から越境ECに着手した。

当初は在庫不足で苦戦を強いられたが、
今では在庫管理も整備して、ようやく軌道に乗り始めた。

同社が昨年8月に発売したスシの形をした「スシ・ソックス」は
5000足以上を売り上げるヒット商品となった。
このヒットをきっかけに、
昨年の年末商戦では月商1億円近くを売り上げたそうだ。

サイトの翻訳は現地の米国人を中心に
常時7~8人の体制を整えた。

とくに気をつかっているのは梱包作業。
オリジナルの段ボールで日本の新聞紙にくるんで発送している。
強度面など配送には海外ならではのノウハウが必要だが、
まだ可能性がある分野だと執行役員の秋山卓哉氏は話す。

■北海道物産が世界を駆け巡る
楽天のショップ・オブ・ザ・イヤー2014の
海外販売部門で大賞を受賞した「北海道お土産探検隊」は、
山ト小笠原商店が運営する越境ECサイト。

日本でも有名な「白い恋人」など、
北海道の定番商品を海外向けに紹介するショップだ。

ユーザーの7割が中国ということもあり、
中国人スタッフを採用した。
各国のユーザーに合わせたメールでの問い合わせ対応など、
きめ細かいサービスにつとめている。

そのかいもあって、越境ECを手がけた2012年と比べて
昨年2014年の売上は30倍以上にも及んだという。
「マーケットの大きい越境ECは、まだまだ売れる」と
小笠原航社長の手応えも十分だ。

「通販新聞」より引用
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2015/04/post-2148.html