フィラデルフィア市は全米で最も貧困率が高い市。
およそ18万5千人の人が連邦貧困水準の半分以下の収入で暮らしています。
その数には6万人の子供も含まれています。
それに伴ってホームレス数も増加の一途をたどっています。

そんな中で、ホームレスの人にささやかだけれど
確かな救いの手を差し伸べる小さなムーブメントが。

Mason Wartmanさんは、ウォールストリートでの事務職を去って、
フィラデルフィアでRosa’s Fresh Pizzaを始めました。

このお店では現在、”Pay it forward”システムが
看板商品のひとつになっています。

“Pay it forward”(前払い)システムでは、ピザ代金の1ドルを支払って、
ピザの代わりにポストイットをもらいます。

そこにメッセージを書いて、壁に貼り付けておくと、
お金のないホームレスの人が来店したときに、
そのポストイットで支払いができる、という仕組み。

今ではお店の壁中にポストイットが貼られています。
それだけ、この小さな、けれど生きるために一番大切な
「食べ物」をシェアする、という考え方に協調している人が多いんですね。

最初の「前払い」ピザから数えて、すでに1万枚のカットピザが、
それを必要としている人の胃袋に収まりました。

今では前払いピザは、お店の売上の10%を占めているとか。
ちりも積もれば山となる、のいい例ですね。

ビデオの中で、Wartmanさんはこんなエピソードを語っています。

「前払いピザを食べによく店に来ていたホームレスの人が、
しばらく見かけないなと思ったら、
新しい仕事を見つけて店に戻ってきたんだ。

そしてこう言ったんだよ、
『俺を助けてくれた人たちみたいに、今度は俺が前払いをしたい』って。

さらに、食べ物のために犯罪を犯す必要がなくなることで、
ホームレスの犯罪率の低下にも繋がっている、という意見もあるとか。

想像してみてください、ひとつの小さな個人営業の店が
これだけのことができるのなら、
もしすべての企業が同じことを始めたら、どれだけの好影響があるか。

もしこのエピソードに感じるところがあるなら、
あなたの生活地域でも同じことができないか、
可能性を探ってみるのもいいかもしれません。

UPWORTHYより引用