最近のテック系報道においては、中国のモバイル分野での
アリババとTencentのすう勢争いがメインのニュースだ。

両社のモバイル分野における資産、
また両社の中国のインターネット生態系に占める場所を冷静な目で見ると、
eコマース領域において緩やかな競合が見てとれる。

ただ、中国の巨大なモバイル分野の可能性を考えると、
それは必ずしも直接的な対決を意味しない。

中国インターネットトレンドの3強は
百度(バイドゥ)、アリババ、そしてTencentだ。
百度が検索を主に支配し、アリババはeコマース、
TencentはSNSとゲーム、という棲み分けがある。

もちろん各大手ともオムニチャンネルを意識しており、
それぞれの主要領域にちょっかいを出せるくらい資金力もある。
特に可能性の大きいモバイル分野においては、競合は激しい。

例えば百度は昨年、中国最大のアプリ開発会社91 Wirelessを
19億ドル(1900億円)で買収した。
この買収額にはゲーム開発会社NetDragonの大部分の株式も含まれていた。
百度は開発に重きを置き、中国モバイル分野の最先端を買ったとも言える。

アリババの2大eコマースサイト、TmallとTaobaoは、
モバイル分野が急伸している。

2013年の「独身者の日」の売上57.5億ドルの21%は
モバイル機器からの売上だった。(2012年は5%)

アリババの2013年第4四半期におけるモバイル売上もまた、
総売上167億ドル(約1兆6700億円)の20%を占めた。

アリババはまたTmallやTaobaoのアプリの他にも、
セラーとバイヤーが直接コミュニケーションをとれる
Wei-TaoというSNSアプリを開発した。

加えてeTaoという、切れ目なく最安値と
購入オプションを提供し続けるeコマース検索エンジンまである。

アリババの百度への挑戦と言えば、モバイルブラウザ制作会社の
UCWebの株式の大部分を保有していることも挙げられる。

多くのユーザーがこのブラウザをインストールすればするほど、
ユーザーはアリババ独自のモバイル戦略と繋がることになる。

アリババの最強の切り札は、TencentのWeChatに対抗するSina Weiboだ。
約1年前、アリババは6億ドル(約600億円)をWeiboに投資し、
SNSのプラットフォームで買い物が出来るようにした。

マーケットに偏りすりたうっとおしいメールのせいで、
WeiboからWeChatに乗り換える人が増えるのでは、
という当然の懸念もある。

今のところ、TaobaoとWeiboの提携が両社に利益増をもたらした、
という報告はない。

後半へ続く。

internet RETAILERより引用
https://www.internetretailer.com/commentary/2014/07/24/can-tencent-win-mobile-commerce-battle-alibaba