1億2千万種の商品を取り扱うAmazonは
正に小売りの生態系。
2025には年商で現在世界一のWalmartを
追い抜く勢いで成長を続けている。

この巨人と競争することは
他の小売業者に可能だろうか?
その鍵は考え抜かれたIT投資と共に、
多様な選択肢を低コストで
実現するビジネスモデル作りにある。

それはAmazonをそっくり真似ることではない。
Amazonの「顧客へのこだわり」を真似るのだ。
Amazonは顧客を理解し、
顧客に選ばれる提案を可能にするインフラを整備し、
利益を生み出している。

選りすぐった良品やサービスを、
的を絞った特定顧客に満足のゆく価格と
便利さで提供し利益を生むモデルを作ることは、
巨大企業でなくてもできる。

便利さで競争するには、
素早く新案を生み出し市場で試せるよう、
モデルを変更することが必要だ。

その手段の定番はデーターを駆使したA/Bテストだ。
ウェブページのデザインなどを変更し、
その前後の売り上げ等を比較する。

顧客一人一人の好みに合ったショッピング体験を
インターアクティブにできる場を、
オンライン提供できれば、
その便利さは強力な武器になる。

携帯電話用会員サービス、
Tesco社のコンテンツベースの優待サービス( Blinkbox)など
会員制の成功例を見習うことも手だ。
今後は洗濯機を買った会員には
洗剤もつけるなどの方法が考えられる。

納入業者との提携も重要だ。
Amazonに商品を卸している各社にとって、
全能の巨像の従属的パートナーでい続けるのは面白くない。

そこで先頭グループにいる業者を味方につけるのだ。
双方両得の関係を樹立し、Amazonの扱っていない商品を、
高いマージンと引き換えに独占販売する。

また納入業者の力
(R&D、マーケティング、分野に的を絞った管理)を
利用できる真の協力関係もAmazonに対する防衛力になる。

Amazonは今後も市場のかく乱者、
競争上の脅威であり続ける一方、
競合他社に成長の機会や
インスピレーションを与え続けるだろう。

その急成長は続きそうだが、
順風満帆ではあるまい。
選択肢を広げ複雑さを増せば、
利益への影響が出るし、
ビジネスは常に変化が求められているからだ。

恐怖を乗り越え、Amazonとの競合共栄につながる戦略を
打ち立てても欠かせないのは、
敵Amazonの成功モデルの理解と
Amazonさながらの顧客への注力だ。

そのための変化を拒む業者は取り残され、
最終的には死にいたる。

CEOジェフ・ベゾズも言うように、
「インターネット全般、特にAmazon.comはまだ第一章だ」。

retailgazette.co.ukより引用
http://www.retailgazette.co.uk/articles/42103-how-to-compete-with-amazon