米国と英国で最近、モバイルショッピングに関する
似たような調査が行われた。
結果は、小売業者にとって
注目に値するものとなっている。

まずは米国の結果から。
調査によると、「mコマースのアプリ利用中に何らかの
へルプを必要とした」という回答は、大多数の81%に上った。

しかし、サポートを得るために実際に
スマートフォンを利用した割合は、わずか12%だった。

ヘルプを利用しなかった理由のトップに挙げられたのは、
極単純に「アプリ内に自分が必要とするヘルプや
サポートが見つからなかった」ことだ。

調査対象者の約半数が、アプリ内でサポートが得られない
ことを気に入らず、アプリ外に問い合わせなければならない
場合、回答者の1/4が、購入はもとより該当ブランドの
利用もやめ、欲しい物をあきらめるか、
他のブランドで探すと回答している。

調査を行ったContact Solutions社は、
消費者は信頼できるカスタマーサービスや
利便性を求めており、その期待に応えられない
アプリやブランドは、その後利用しないことも考えると言う。

同社は改善策として小売業者に、製品情報から支払、
配送まで一貫して、アプリ利用中の消費者がどのような
質問をしてくるか予測しておくことを勧めている。

一方、英国の調査では、調査対象者の40%が
モバイルショッピングに不満を持っており、
満足しているのは僅か37%だった。

満足していない理由は、「コンピューターほど容易でなく、
サイトの読み込みに時間がかかったり、反応が遅い」
ことだ。回答者の2/3が、「毎回とは言わずとも、概ね
コンピューターと同等の質とスピードをモバイル機器にも
求める」と回答している。

反応の遅さは、購入を止める理由のトップにも
挙げられており(27%)、「サイトの反応が遅い場合、
他社で商品を購入する」という回答は半数にも上る。

これらが原因のせいか、回答者の36%は「年内に
モバイル機器を利用してショッピングするつもりは無い」と
答えた。また42%が、「反応が遅く質の悪いサイトは、
ほぼ間違いなくそのブランドの信用度を落とす」と答えた。

サイトのスピードは死活問題だ。
逆に言えば、この点が改善されれば、
モバイル機器は絶好のセールス手段となり得るのだ。

英国の今年のオンラインショッピング消費額は、
522億ポンド(約9.5兆円)と見込まれている。
小売業者が革新的なマルチチャネル・ショッピング体験を
提供すれば、莫大な利益を得ることが可能だ。

事実、回答者の45%が「『今すぐ買う』ボタンを利用して、
進んでソーシャルメディアから商品を直接購入する」と
回答していることから、ショッピングをより楽しく、容易にする
イノベーションを喜んで取り入れる気があることが分かる。

これは英国内に限られたことではない。

過去1年間に英国外から商品を購入した消費者は
65%であり、「もしサイトのスピードが速く、購入も
容易であれば、海外の小売業者からも購入する/
購入の可能性あり」と言う回答は88%だった。
世界的には、消費者の70%が自国外の小売業者から
商品を購入したという結果だ。

調査を行ったDyn社は、今回の結果から、
「最高のオンライン体験を提供する小売業者に対しては、
消費者は世界中どこであろうと、お金を使うことを
いとわない」ということが分かったと言う。

これは小売業者にとっては新市場進出の
素晴らしい機会であるが、成功するためには、
オンラインであれモバイル機器であれ実店舗であれ、
同質のショッピング体験と迅速で使い勝手の良いサービスを
提供することが必須だ。

Information Age、mobile COMMERCE NEWSより引用
http://www.information-age.com/industry/uk-industry/123459020/two-thirds-shoppers-unhappy-online-customer-experience
http://www.qrcodepress.com/m-commerce-apps-frustrating-shoppers/8529616/