売り上げ増加とオフライン実店舗との競争をめざし、
Amazonが日用消耗品の価格を下げていることが、
Bernstein Researchの調査で明らかになった。

シャプー、おむつ、ペット商品などを
オンラインで買う消費者が増えてきたことを背景に、
Amazonは下げた価格を規模の大きさで補う公算だ。
以下、調査結果の詳細を見よう。

Amazonは価格競争で、ライバルと見られる大型チェーン店、
Wal-Mart、Walgreen、Target などに
「値動きと下降傾向の激しいオンライン価格環境」をつきつける。

Amazonで150のSKU(出品者が在庫管理のために各商品につけるID)
を10の日用品カテゴリーから任意に選んで調べると、
その半数で価格が去年より下がっていた。
価格が横ばいなのは24%、上昇したものは26%あった。

1年以上最長で8年前と比較できる商品については、
この傾向がさらに強まり調査対象商品(SKU)の71%に価格低下が見られた。

食品、洗剤などの日用消費材は
小売り市場で大きなシェアを占めるが、eコマースへの浸透度は低い。
消費者は必要なときに近所のスーパーなどで補充するのが通常だからだ。

だたこの傾向を変えつつあるのがAmazon Primeなどの会員制度だ。
年会費を払えば送料が無料になるなどの特典があり、
かなりの商品がお買い得になる。

MarketWatchがTwitterで調べたところ、
シャンプーやペットフードなどの日用費を
オンラインで買ってもいいと答える人は2年前からかなり増えた。
もちろん調査対象がハイテクに強く2000年代に成人を迎える若者に偏ってはいるが。

回答者は
「欲しい消耗品がオンラインで品切れで買い物に出なくてはいけないのは腹が立つ」
「Amazon Primeのおかげで怠け者になった」
などとコメントしている。

この傾向について専門家の意見は別れている。
実店舗コンサルタントのJeff Green 氏は、
消耗品のオンライン購入はニューヨークや
サンフランシスコなどの比較的豊かな都会に限ったことで、
全米に広がるのにはかなりの時間がかかるだろうと予測する。

逆に、ハーバードビジネススクールのRory McDonald氏は
Amazonが値段の安さと消耗品自動補充のを定着させれば、
この傾向はさらに強まると見る。

Amazonは各会員の買い物パターンを把握しているため、
シャンプーなどよく買う商品の自動補充を勧めて
便利さを売ることが可能だからだ。

marketwatch.comより引用
http://www.marketwatch.com/story/why-amazon-is-slowly-easing-prices-for-consumer-goods-2014-11-17