ダイナミック・プライシング(価格変動制、以下DP)に関して、
最もアグレッシブなのはAmazon.comだ。

価格競争が激しい人気商品に関しては、ライバルの価格を追跡し、
1日に何度も価格を変えることがある。
こうなるとライバルたちもそれに反応せざるを得ない。

Internet Retailerが行った調査によると、
アメリカで第5位にランクインしている
オンライン小売のSears Holdings Corp.は、
4月28日から5月4日までの間、全体の8.3%の商品の価格を
毎日少なくとも4回、また、他の3.6%の商品価格を3回から4回変えた。

Amazon.comは全体の商品の1.1%の価格を毎日4回変えたが、
他3.7%の商品に関しては3回から4回の変更をした。

価格モニター技術販売元のUgamによると、
Amazon.comは2013年のクリスマスシーズンに、
電化製品とおもちゃ、ハードウェアカテゴリーで、
9715回価格を変えた。
これはBest BuyやTarget Corpなど他大手の記録をはるかに上回る。

ウェブオンリーのバッグ販売業者eBagsの例を見てみよう。
DPを導入したeBagsは、他のライバル業者と最低価格を競う商品を
サイトに掲載し始めたが、「他にも多くの商品があります」
というチョイスの幅をもたせた提示の仕方をすることで、
売上とマージンのバランスをとろうとした。

eBagsはDPを行う上で、
Carnival Hardside Spinner luggageというセット商品について、
買い物客に9セットのチョイスを与えた。

「消費者が最低価格を求めて彷徨っているとき、
チョイスの多さなどが決め手になることがあります。
こういった仕掛けを用意して初めて、DPの価値があるのです」
とeBagsの共同創立者、Cobb氏は言う。

努力は意外にも早く実を結んだ。
そのセット販売は結果的に、eBagsに眼に見える利益をもたらした、
とCobb氏は言う。

実際、その商品はeBags.com上でトップの部類に入る売上を
キープし続けているという。
さらにeBagsのそのセット商品は、
Google検索のトップに常に現れるとも。

しかしすべての業者がDPにやっきになっているわけではない。
ペット商品を扱う業者Drs. Foster and SmithはDPを導入していないが、
2013年の売上は2012年のそれより11%伸びたという。

「DPを導入していないし、するつもりもない」と
Drs. Foster and Smithのマーケティング兼広報は言う。
「いろいろなきっかけからお客様は弊社サイトを訪問されるが、
誰にでもいつも同じ価格をご用意したいからだ」

internet RETAILERより引用
http://www.internetretailer.com/2014/08/04/price-rightthen-its-not-2