アリババが米国での株式新規公開に向けて準備を進める一方で、
eBayは顧客経験の改良に力を注いでいる。
eコマース市場は将来、数兆ドル規模の機会になるとされており、
誰もが成功する余地がある。eBayも、巨大企業アリババとの
競争など気にならないようだ。
eBayのバイヤーベースやPaypalのアカウント数、
総支払額や総流通総額は、目覚ましい勢いで増加している。
主な要因が、消費者のオンライン・ショッピングへの移行の
長期化であるにせよ、eBayの数々の努力も無視できない。
eBayは今後、ユーザー インターフェースや、
閲覧状況の改善にも重点を置くつもりだ。
また、「ローカル」を意識した戦略にも力を注いでおり、
顧客の選択肢が広がる購入システムを導入した。
このシステムにより、顧客はオンラインで購入した商品を、
近くの店舗へ都合の良い時に受け取りに行くことができる。
これらの取り組みにより、Amazon.comとより効果的に競争、
また差別化したい狙いがある。
eBayは更に、Paypalのクレジット機能の普及を促進したが、
これら「Bill me Later」(代金後払い)サービスの収益は
今のところ少なく、米国販売業者の合計決済額の2.1%、
米国内総流通総額は4.4%に留まっている。
地元小売店での商品受け取りが重要な理由
eBayは、英国のカタログショッピング専用チェーン店
Argos とパートナーシップを結び、
「click and collect」(クリック&コレクト)と呼ばれる
新しい配送システムを積極的に展開している。
これによりバイヤーは、100以上のセラーから600万を超える
商品を選択することができ、購入商品を英国内に多数ある
Argos 店舗から受け取ることができるのだ。
このシステムはAmazon.comのシステムと幾分似ており、
eBayの世界的競争力を後押しするものになるだろう。
eBayは、似たような取り組みを米国でも試みているが、
彼らが楽観する理由は何か?
顧客がeBayで購入した商品を受け取る際、
必然的に店舗に出向くことになる。この時、ついでに
他の商品を購入していく傾向があるからだ。
これはeBayに協力した店舗にとってもおいしい話である。
eBayの新たな取り組み「コレクションズ」
eBayは近年、オンラインでの購買体験を改善するため、
顧客を巻き込み、テーマに基づいた商品のコレクション
管理機能を作り出した。
この機能は2013年後半に米国でスタートしたが、
eBayの顧客は既に100万を超える数のコレクションを作りだし、
欲しい商品が探せずにいたバイヤーの役に立っている。
2014年3月には英国にも導入された。
これらの試みの根底にあるものは、もはや簡単な検索では
済まされないほど膨大に膨れあがった商品の数と、
それに伴って増え続けるカタログの量だ。
eBayも他の小売業者も、オンライン・ショッピングを
より早く、容易に、しかも楽しくするためには、
ユーザーインターフェースを改良する必要があるのだ。
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