インドのオンラインマーケットプレイスと言えば、
まずFlipkartが思い浮かぶのではないだろうか。

しかし、Flipkartの設立より3年早く、
初めて同国eコマース市場に進出、
マーケットプレイスのプラットフォームを築いたのはeBayだった。

2004年、eBayはインドの大手オークションサイト
Bazee.comを買収、同社はプラットフォームを提供するのみで、
セラーが直接バイヤーと取引を行うという、
米国のビジネスモデルを同国に持ち込んだ。

しかし、2012年から2013年の間、
Flipkartの収益が476%伸びた一方で、
eBayの伸び率は60%に留まった。
また、今年7月のeBayのサイト訪問者数は、
FlipkartとAmazonを下回っている。

では、進出当初、全ての条件が揃っていたかに見えたeBayが、
ライバル企業の陰に隠れてしまった理由は何か?

「進出当時、eBayは時代の一歩先を行っていた。」
と言うのは、eBayインドの元社長だ。

「当時のインターネットユーザーは1000万人以下で、
オンラインショッピングを好む人はほとんどいなかった。
しかし、過去数年間で状況は変わった。にもかかわらず、
eBayはこの変化に驚くほど無関心だったのだ。」

eBayは方向転換に乗り気ではないと言う。
インドで好まれる代金引換に切り替えたのもつい最近で、
他社に比べて最も遅かった。

変化を好まないのは、独特のビジネスモデルにも起因する。
eBayはオープンマーケットプレイス(OMP)であり、
物流管理は行わず、セラーやバイヤーに関与することがめったに無い。

これと対照的に、ライバル3社(Flipkart、Amazon、Snapdeal)は
全て、管理型マーケットプレイス(MMP)だ。
これらの企業は、配送や返品を自社で管理し中古品は扱わない。

投資会社SAIF Partnersのバイスプレジデント、
Mukul Arora氏によると、インドに適しているのはMMPモデルだと言う。

OMPモデルは、セラー、物流会社、バイヤー全てがテクノロジーに
精通し、顧客の補償制度も整った成熟市場に適していると言う。
eBayの2013年の純利益も、米国、ドイツなどの成熟市場が
70%を占めている。

同じく投資会社のHelion Venture Partners専務、
Sanjeev Aggarwal氏は、マーケットプレイスは
3段階に推移していくと言う。

第1段階は、オンライン小売業者が
全てを管理するインベントリーモデル。
第2段階は、商品は所有しないが、
配送や品質返品などを管理するMMPモデル。
第3段階は、プラットフォームを提供するのみの、OMPモデルだ。

「インドは現在、第2段階に移行中。第3段階へ完全に移行するには、
10年はかかる。」と言う。

eBay インドの専務、Latif Nathani氏は、広義の評価としては
これらの意見に同意しながらも、現時点でも、インドでの
OMPモデルはあり得ると主張する。

「インドは商人の国。eBayのセラー全てが強固な
バックエンドシステムを備えているわけではないことは確かだが、
より多くの国民がインターネットを利用するようになれば、
デジタル格差も埋まってくるだろう。」と言う。

経営コンサルティングのBoston Consulting Groupは、
2015年末までに、同国のインターネットユーザーは
5億人に上ると見ている。

後半に続く

The Economic Timesより引用
http://articles.economictimes.indiatimes.com/2014-09-09/news/53730647_1_ebay-india-latif-nathani-flipkart-and-amazon