配送サービスの国内大手といえば、佐川急便、ヤマト運輸、日本郵便。
EC事業者からみたこの3社の取り組みと、
配送価格とサービスレベルの関係性について考えてみよう。

佐川急便

業界第2位のシェアを誇る佐川急便は
2013年に入り、戦略を大きく転換。
大口契約の業者に対して配送料の値上げを迫り、
取引先最大手であったAmazonとの契約を打ち切った。

単価アップを図る一方、
ネット通販利用者へのサービス向上に力を入れてきた。
EC事業主にも便利なサービスが多数用意されている。

2000年に開始した代金引換サービス「e-コレクト」。
消費者にとっては情報漏洩による不安を解消することから
取り扱い数は増加している。

2012年から都内の一部地域で集荷24時間サービスを開始。
主要都市向けの荷物で午前3時までに集荷連絡があれば、
当日中に配達する。
これによってキャンセル率が低減された。

さらに購入商品の返品・返金を行う
「リバース・ソリューション」サービスを同時期に開始。

B2Cへ参入し始めた当時は荷物の取り扱いや
不在時の対応などで批判もあった佐川急便だが、
現在ではサービス改善に力を入れてきているようだ。

ヤマト運輸

「宅配便」の生みの親でもあるヤマト運輸。
お届け完了eメールサービスをいち早く導入し、
Web出荷コントロールサービスや伝票番号による検索など、
便利でかつ効率化されたサービスを数多く提供してきた。

午前0時までのネット販売受注商品を翌朝に届ける
「トゥデイ・ショッピング・サービス」。
商品の受け取り場所としてコンビニを指定できる
「宅急便受取場所選択サービス」。
受け取った商品を確認後に代金を払えるサービスなど、
魅力的なサービスが揃う。

ヤマト運輸は様々な企業との業務提携にも積極的だ。
2010年には伊藤忠商事、ヤフー、ファミリーマートの
3社による宅配便サービス「はこBOON」の配送業務を受託。
最近では佐川急便から引き継いでAmazonとも連携した。

今年4月からは中国郵政集団(チャイナポスト)と提携。
日本のネット通販で買い物をした中国人向けに
商品を中国へ最短3日で届けられる宅配サービスだ。

配送業務を正社員が行うことで
サービス品質に定評のあったヤマト運輸だが、
荷物の量が急増し、限界が来ているようだ。
最近ではサービスの品質低下がささやかれている。
また、法人取引先への値上げに不満の声も聞かれるようになった。

後半へ続く

「Eコマースコンバージョンラボ」より引用
http://ecclab.empowershop.co.jp/archives/2104