JD.Comは巨大な中国のeコマース市場で
1、2位を争う大手企業である。

ライバル企業アリババの存在によって
長いこと陰に隠れてきたが
JDは独自のアイデンティティを
苦心して築き上げたことで
中国の巨大オンライン企業として頭角を現した。

アリババのマーケットプレイスは
購入者と販売者をつなぐプラットフォームとしての
役割を果たしているのに対し、
JDはメーカーや卸売業者から商品を購入し、
自身の倉庫に在庫している。
これはアマゾンを模倣したやり方だ。

大都市の交通渋滞を
心配することのない
モーターバイクを使用し、
テレビセットや冷蔵庫から
靴下やTシャツまで
あらゆるものを素早く配送できるように
サービスが整えられている。

Amazonのように、JDはインフラに
重点を置いて投資を行っている。
中国各地でフルフィルメントセンターや倉庫を
建設・賃貸するために
15億ドル(約1700億円)以上を投じている。

だがそれだけに留まらず、
JDは20,000以上の宅配者や
トラックを独自に所有し、
宅配事業への進出を更に推し進めている。
この投資は2020年までに
総額1兆ドル(約117兆円)規模になると予測されている。

米国で取引されているJDの
実際の利用者は4600万人に上り
昨年の収益は200億ドル(約2兆3,486億円)と予想される。
現在、最も巨大な中国の直販小売業者になっている。

「このビジネスモデルは万人向きではないが
JDはそれを構築するのが上手かった。
現在、JDの利用者は爆発的に増えている」と
インターネットアナリストは話す。

だがまた一方で、この巨額の資金を投じて
オンライン小売事業を展開する手法が
アナリストたちを心配させている。
物的資産や負債がJDの負担になる
可能性があると考えられているのだ。

2017年までに黒字に転じることはないとするアナリストもいる。
ライバル企業アリババのMa会長は、
JDのビジネスモデルを非難し、
悲惨な欠点のあるビジネスモデルと呼んでいる。

JDは、強力なカスタマーサービス、
素早い配送、そして、商品が偽造品ではなく
本物であるという保証を行うことで、
将来的にeコマース市場で圧倒的な有意性を獲得できる
企業を築いていると主張している。

「現在でも、利益を上げようと
思えば上げることができる。
だが、当面の目標は顧客基盤を
拡大させることにある。」とJDは話している。

後半へ続く

New York Timesより引用
http://www.nytimes.com/2015/01/27/business/international/jdcom-chinas-other-e-commerce-giant-follows-its-own-path.html?_r=1