前編では香港eコマースの可能性について触れた。
中編ではその現状について詳しく見ていこう。

停滞していると言われる香港のeコマースだが、正確にはそうではない。
PayPalが行った香港における市場調査では、2011年のeコマースの取引高は、
146億香港ドル(約1925億円)だったが、
2012年は157億香港ドル(2070億円)に増加した。
また、同社は2015年には271億香港ドル(3573億円)に達すると予測している。

また、モバイル機器を利用した取引の割合は、
2011年は全オンライン取引のうちたった10%だったが、
2012年には41%に伸び、売上高も2015年は178億香港ドル(約2347億円)に
成長すると見込まれている。

また購入者数も、2011年はわずか376,000人だったが、
2012年はオンライン利用者の半数以上にあたる110万人に増加した。
PetProject.HKやLifeProject.HK、Toddler.HK(トドラー)との
創立者兼CEOであるニシャント・カプーア氏はこう述べている。

「香港の人は忙しい。特に家族のある人は忙しく、
ペットや子供たちのために買い物に行く時間がない。
だからオンラインを利用する」

また、ペイパルの香港・台湾・韓国地区責任者ジェームス・マーフィン氏は

「地元の小売業者はeコマースに注目し始めている。
ただ、それはうまく市場の注目を集めた、GrouponやBeeCrazyといった
共同購入サイトの成功例を見たほんの一部だと思う」

と語り、

「弊社が受け入れている海外の小売業者が、
香港市場への対策を立て始めている。
中国の小売業者だけでなく、ASOS やSaksといった、
業界を先導する大手小売企業が香港ドルを取扱リストに加え、
スピーディーな配送を始めている」と続けた。

勤務先のPCから注文・購入をしても、地元の小売店で引取ができる、
クリック&コレクトサービスが人気を集めている。

香港最大の写真現像店FOTOMAXは「Easy Print(簡単プリント)」
と呼ばれるモバイルアプリを発表した。このアプリを利用すれば、
注文と決済はオンラインで行い、引取は香港のどの店舗でも可能だ。

後編に続く。

Marketingより引用
http://www.marketing-interactive.com/features/state-online-commerce-hong-kong/