インフラの遅れが慢性化し、配送の航空会社へ依存が問題化している
インドのオンライン小売業。
独自の物流業に投資を集中する動きが新たに出て来ているのは不思議ではない。

Amazonの元幹部が2007年に設立したFlipkartは
子会社E-Kartに投資し、物流部門の育成に努めている。

世界一のeコマース企業Amazonは現在取引きのある
GATI、Blue Dart 、FedExなど、物流他社との提携を強化する一方で
独自の物流部門Amazon Logistics の能力を増強中だ。

航空便の利用を減らすために、Flipkart は各地域に倉庫を設け、
全国から募った協力サプライヤーを独自の物流網に組み込み、
地理的に近い顧客への商品配達を依頼している。

Flipkart’s のChari氏は「これで顧客のフィードバックを
サービスに生かすためのチャネルが確保でき、
顧客の要求に対応しやすくなった。この力は大きな強みだ」言う。

独自の物流網があるため、
Flipkart は顧客から来る配達日の変更リクエストなどに
迅速な対応ができ、返品や交換の処理も、
第三者の物流業者を使っていた時よりスピードアップした。

Amazonの戦略もこれに似ている。
独自の倉庫を設けると共に、近所の食品スーパー、ガソリンスタンドなどを
試験的に配送拠点にしている。

遠隔地への配送については
インド郵政公社と合意済みだ。

これと対照的なのがeBay。外部物流業者を使うことで、
陸運時に発生する地方税の重複や必要書類作成の手間を省いている。

eBayはまた、サイトに出品している
4万5千の仕入れ先を効率化に向けて
集中的にトレーニングしている。

「このビジネスでは自分の得意分野に集中することが重要。
物流はそれが得意な提携業者に任せる」と
インドeBayの幹部 Latif Nathani氏は言う。

オンライン小売りブーム到来の予感が、
物流業者をサービス向上へと動かしている。

だがインドに「効率の良い物流網が構築されるまでには
数年はかかる」と GATIのeコマース担当COO、Bablu Tewari氏は予測する。
同社はAmazon やeBayの配送を担うインド最大級の物流会社だ。

「これまでラップトップのような2キロを超える商品は
誰も配送しなかったが、今やオンラインで冷蔵庫が届けられる時代」
とTewari氏。

AmazonやFlipkartほど資金に余裕が無く
航空便に手が届かないオンライン小売業者は、
梱包や商品自体に工夫を凝らし
トラックや鉄道で配送しやすくしている。

例えば国内のオンライン家具大手Pepperfryは、仕入れ先を指導し、
IKEAのような折りたたみ・組み立て式家具を納入させている。

「平らな梱包は配送費を安くできる」と
同社CEOの Ambareesh Murty氏。
また専属の大工を顧客の家に派遣し、
届いた品物を組み立てるサービスも行っている。

「インドで来るべきeコマースブームにあやかれるのは、
インフラの脆弱さを創意工夫で補うことができる
Pepperfryのような企業」と業界コンサルタントは指摘する。

道路や鉄道の整備がすぐには期待でず、
民間航空会社が引き取る荷物の枠が限られている中、
「配送量が増えたとき新たな動きが出るのは道路だ」と
コンサルタント会社e-tailing India の
Ashish Jhalani 氏は言う。

「配送容量を増やすための新たなしくみを作り、
運用することで陸運の問題を解決できる会社が
長期的に有利だ」。

businesstoday.intoday.inより引用
http://businesstoday.intoday.in/story/logistical-challenges-hit-growth-of-online-retailers-in-india/1/207073.html