インドのe-コマースは年間取り扱い高130億ドル(1兆3千億円)の大市場だ。
今後の成長が見込まれる中、
ひとつ気がかりなのは物流問題だ。

道路や鉄道などのインフラ整備が遅れているため、
業者は民間航空機の空きスペースを利用して
配送することがしばしばだ。

これは高価なばかりでなく、あまり当てにならない。
飛行機会社は乗客を優先するため、
荷物が直前に「搭乗拒否」されることもしばしばだからだ。

「残念だが(航空機で発送予定の)荷物が
直前に下ろされることはよくあるため、
顧客への配送予定案内にそれを織り込まないといけない」と
Flipkartのサプライ・チェーン技術担当副社長Rahul Chari は言う。

インドでは道路や鉄道による輸送は、設備自体の遅れのみならず、
煩雑な役所仕事や時には賄賂がからむといった問題がある。

その結果、オンラインで注文を受けた品物のの9割は
現在航空便で配送されている。
コストは業界調べでは陸運の5割増しと言われる。

市場成長の足かせとなる物流インフラの未発達は
氷山の一角にすぎない。

オンライン小売業者があまり信用できない他業者に
物流をゆだねざるを得ない状況、着払いが半数以上であること、
返品が多いこと、存在しない住所からのオーダーが
日常茶飯事であることなど解決すべき問題は多い。

インドは人口11億人超、中間所得層が育ちつつあり、
インターネットの整備も進んでいるため、
eコマースの将来性は絶大だ。

オンライン小売りの総売上高は去年の16億ドル(約千6百億円)から
2021年には760億ドル(約7兆6千億円)にまで増えると
コンサルタント会社Forresterは見ている。

中国などの新興国と比べると業界の成長速度はかなり遅いが、
オンライン小売業の消費者への直接販売が来月解禁になり、
eコマース市場を押上げると予想される。

「e-コマースの強みはどんな規模の企業でも
一瞬に全国の消費者とつながれること。
ただ、その機会は実際に商品を配達できて初めて実現できる。
そのためには集中と投資が欠かせない」と
Amazon副社長の Amit Agarwal氏が
ロイターへのメールでコメントしていた。

配送を民間機頼みにしている限り、
現在複合年成長率34%を維持している
インドのオンライン小売業の今後の成長は危うい。

そんな不安の解消にAmazon,eBayのような世界規模の企業をはじめ
国内オンライン大手のFlipkartなどが新たに仕入れ先のネットワークを強化、
数百万ドルを投じて独自の物流網作りを競っている。

同日配達、9時間配達などを増やして、顧客の囲い込むことが狙いだ。

後半に続く

businesstoday.intoday.inより引用
http://businesstoday.intoday.in/story/logistical-challenges-hit-growth-of-online-retailers-in-india/1/207073.html