■大手IT企業 インドへの投資を次々に発表
9月末、インドのモディ首相が打ち出した産業政策が
「Make in India(インドでモノづくりを)」。
インド国内の自動車産業などが追い風に乗る中、
世界的なIT企業の進出には目を見はるものがある。

これにいち早く対応したMicrosoft社はインド国内3カ所に
クラウド・コンピューティング用データ・センターを
2015年までに設立すると発表。

Amazonは2013年からマーケットプレイス事業を開始しているが、
M&Aを含めてインド事業を強化する考え。
エンターテイメント事業や配達業務を中心に
ネット通販事業に20億ドルを投資する計画を表明した。

日本のSoftBank社は10月末、
印ネット通販大手「スナップディール」に約680億円を出資。
スマホ版タクシー配車予約サービス「オーラキャブス」に、
約230億円を合資することも決定した。
今後10年でインドに約1兆円規模の投資をする見通しだ。

■FacebookCEO モディ首相と会談
10月中旬にはFacebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏が
モディ首相と会談を果たし、
デジタル・インディアへ支援することを表明。

現在、インドのFacebookユーザー数は1億人を超えている。
今や政局においても、その影響は見逃すことができない。
しかし、インド国内でインターネットにアクセスできるのは
人口の約17%しかいない。

そこでFacebook社は
データ通信料なしでネットにアクセスできるアプリや
ガラケーでもFacebookを使えるアプリを提唱。
インドの主要ローカル言語にも対応していく考えだ。

■スマホを中心にネット環境を整備
インドで、ここまで海外IT企業による投資が相次ぐのは
スマホの利用率が急激に増加していることが大きい。
インド政府はネット環境のインフラ整備を急いでいる。

インドの携帯電話事情はいまだガラケーが主体。
しかし、2014年4~6月期の出荷台数をみると
ガラケーは約4479万台と前年同期より10%以上減少した。

一方、スマホは1842万台。
前年から比べると84%も出荷を伸ばしている。
これは年間7000万台を超えるペースだという。

さらに、決済システムの開発も着実に進行中だ。
インド産の電子決済システム「ルペイ」は
10月下旬、Amazonや大手民間航空会社との提携を決めた。
すでに大手ネット通販サイトで利用可能となっている。

「Make in India」は製造業の経済成長を目指すものだが
メディア戦略に長けたIT企業が一歩先に出たといえる。
これが先駆けとなり、
本命の経済発展が進んでいくのかもしれない。

「BLOGOS」より引用
http://blogos.com/article/98156/