前回は、すべての販路で買い物をしている最近の消費者の特徴を知り、
それに対応し商機をとらえることが小売業者にプラスであることを述べた。

そこで注目したいのは、最も伝統的販路である小売店だ。

Tescoの元CEOTerry Leahy氏は
「小売業はこれまで大きな店舗を持つことを目標にしてきた。
だが忙しさを増す今日の消費者には、
大きな買い物をしに大店舗にわざわざ足を運ぶ時間が無い」と言う。

オンラインショッピングをする人が増えている事実は
それを裏付けているが、
物理的な小売店が今後いらなくなるという意味ではない。

むしろ「小売店は資産」と言うのが
『ハーバード・ビジネスレビュー』誌へ
「ショッピングの未来」を寄稿したDarrel Rihby氏だ。

「伝統的な小売業者は、eコマース業者に無い特徴といえる
“店舗”を負債から資産に変えることで生き残れる」
と主張している。

以下の調査結果は全販路に対応した物流、
特にeコマースとの関係における実店舗の
新たな可能性を示している。

64%の顧客は送料が無料であるという理由だけで、
いつもとは別の店で買い物をした。(eBay Enterprise )

93%の消費者は、注文した商品を配達してもらうか、
小売店で受け取れるようにするかの選択肢を求めている。(同上)

ショッピングサイトに来た67%の人は送料、時間など配送の問題ゆえに、
一旦始めた買い物を放棄している。(Comscore)

オンライン顧客の35%が「オンラインで注文、小売店で受け取る」
選択肢を選んでいる。
またそのうちの18%が、商品を受け取りに行った店で
別の買い物もした。(Internet Retailer)

以上の結果、全販路に対応することで、
小売店の売り上げを通常より2-20%増やすことができる
(eBay Enterprise)

小売店を組み入れた全販路方式は
どんな形を取るのだろう?

1.注文を受けた商品を (物流センターではなく)
小売店から顧客に配送する。

この方法には、店舗に物流センター機能も持たせ、
新たな設備投資は不要、各店舗の在庫の回転が早まる。

近くの店舗から配送することでコストを節約でき、
在庫のある店から配送することで、売り切れで商機を逃すことはない。

在庫の多いところから送れば、在庫処分の大廉売で損をすることがない。

2.店員が顧客に代わって小売り店からオンラインで注文する。 
(オンライン店が実店舗の「売り場」拡張になる)

3.オンラインで受けた注文を、物流センターから顧客の最寄り小売店へ配送する。

4オンラインで受けた注文を、在庫のある小売店で顧客に受け取らせる。

導入コストや要する時間に合わせて様々な対応が可能だ。

ecommercemilo.comより引用
http://www.ecommercemilo.com/2014/04/why-retailers-need-to-embrace-omnichannel.html#.U1e4s2eKDIU