今年3月シンガポールで開催された
第四回アジア太平洋世界小売会議では、
シンガポールの小売最大手5社、タイのトップ3を含む
24,000を超える小売店の代表が一堂に会し、
業界の現状や今後について幅広く討議した。

その中でeコマース、特に今後の方向性や
注目に値する動きに言及した経営者の声も聞こう。

Homeshopping Network PakistanのCEO Shayaan Tahir氏は
「消費者の間に定着した感のあるeコマースの今後を先導するのは、
携帯を使うモバイルショッピング。
指一本でどこからでも買い物できる便利さを実現し、
市場の成長に大きく貢献した」と言う。

またFacebookは小売業者が消費者にメッセージを発信し、
商品やセールなどを告知するのに便利。
YouTubeは商品やサービスを消費者の目に直接訴えることができる」と
ソーシャルメディアの重要性も指摘した。

アラブ首長国連邦で電気製品を販売する
Jumbo Electronics のCEO Vhishesh L. Bhatia氏は、
小売業の将来を形作るeコマースの
「新しいかっこよさ」をいくつか例示した。

*共同ブラウジング
友達と一緒にオンラインで品定めをすること。

*マウスの動向分析
オンラインサイトに来た人のマウスの動きから
その行動を遠隔的に読み取り、
何も買わずにサイトを去る直前のショッパーに
特別割り引きなどを提供して購買に導く。

*仮想地下鉄店
ユーザーが通勤中の地下鉄内から携帯で注文を入れ、
帰りに商品を受け取れるようにする。

*QThruのショッピングアプリ
買い物でレジに並ぶ時間を省けるよう、
携帯で注文から決済まですべて行えるようにした。

*ソーシャルメディアと実店舗の連動
ブラジルの某ファッショングッズ販売店は、
Facebook 上の「いいね」の評価に合わせて
商品を実店舗に並べている。

Jumbo Electronicsが基盤を置く中東は、ショッピング人口3000万。
eコマースは2012年の売上げ$90億(9000億円)から
2015年には$150億へ増加が予想される、今後注目の市場だ。

「オンラインショッピングは初めてという消費者や
初参入する小売業者の多さ、サービスを高度化する既存店、
eコマースで消費者に直接訴えるグローバル大手、
モバイルコマースの爆発的普及」
がこの成長を後押ししているとBhatia 氏は言う。

中国の今後についての発言も貴重だ。

「一般消費者向け eコマースは、年成長率95%のピークは過ぎたもの
2013年に70%の伸びを維持した」
とCMRのシニアアナリストJames Roy氏。
eコマースが定着した同国では、

「より良い商品、サービス、便利さを求めて
オンライン店を実店舗を優先する人が増え、
決済や業者の信用について不安がなくなった。

現在は定番商品(アパレルと家電)以外、
例えば食料品もオンラインで頻繁に取引きされている。
業者側も品揃えを増やし、システムを強化してこれに対応すべき」
と勧める。

Affinity China のCEO Christine Liu氏は、
WeChatが6億(中国本土と海外)のユーザーを獲得し、
これまでのソーシャルメディアリーダーWeiboを追い抜いた。
今後はメッセージサービスのみならず、アプリに決済機能も持たせると指摘。
eコマースへの効果が期待できる。

また中国の富裕層がステータスより
自分らしいスタイルを求める買い物にシフトしているとLIu氏は言う。
高級ブランドのロゴをひけらかして、豊かさを表現するのは過去のこと。
今後は国内では手に入らない隠れたお宝ブランドを探す動きが予想される。

ここにもeコマースの可能性が見える。

enterpriseinnovation.netより引用
http://enterpriseinnovation.net/article/mobile-social-and-retails-next-tools-1416680645/page/0/1