ここ最近、大手企業のオムニチャネル化が叫ばれるようになった。
オムニチャネルとは、実店舗やオンラインストアなどの
販売チャネルや流通チャネルのすべてを統合すること。

スマートフォンの普及により、
消費者はいつでもどこでも買い物ができるようになった。
ネット通販はこれまでの方法論では通用しない。
注文方法、在庫管理、配送手段などそれぞれのチャネルを
消費者の利便性に即したものへと統合すべき時代になってきた。

オムニチャネルは大手企業だけのものではない。
そこで、中小のECサイトでも取り組める手段を検証してみよう。

消費者の購買行動をみていくと、
実店舗、ネット通販、カタログ通販のどこで買うのかを
あらかじめ決めて購買しているのではない。

さまざまな販売形態を行き来して、
楽しみながらショッピングをしているケースが多い。
消費者は、すでに複数のオムニチャネルを受け入れている。

しかし、販売者側は
実店舗、ECサイト、それぞれの販売目標があり
各チャネルごとの業績アップに終始してしまう。

よくみられるのは、実店舗の顧客をECサイトへうながし、
ECサイトの顧客を実店舗へと誘導して、
双方の売上げを狙うという手法。

しかし、このやり方は必ずしも売上の向上にはつながらない。
消費者の購買意欲を十分にまかなっているとはいえず、
同事業のチャネル間で顧客を奪い合うことにもなりかねない。

では、どう対処すべきなのか。

消費者庁発表の「平成25年度消費者意識基本調査」によると、
ネット通販を利用する理由として、時間制限がないことに続いて
「品揃えが豊富でネット通販でしか買えない商品があるから」が
61.0%の第2位を占めている。

一方、ネット通販で不安、不便さを感じる点は
購入前に商品を確認できないことや個人情報の送信、
アフターサービスの不安などがあがっている。

これを踏まえて、
物理的な制限がないECサイトでは品揃えを生かす。
さらに商品情報、購入者レビュー、検索の多様性を加えて、
欲しいと思う商品を可能な限りみつけやすくする。

そして、消費者の不安を解消すべく、
興味を持った商品は、実店舗で手にとって確認できるようにする。
消費者の行動に見合った実店舗の営業時間や在庫状況の確認など、
自動連絡が取れるシステムも必要だろう。

顧客の消費意欲を高めつつ、
消費者が購入へいたるまでのプロセスは迅速に対応する。
チャネル間の相乗効果を高めるシステムとしての
オムニチャネルを導入していくべきではないだろうか。

「ネットショップ担当者フォーラム」より引用
https://netshop.impress.co.jp/node/492