ロシアのAmazonと呼ばれるOZONがスタートしたのは1998年。
ロシアにはUPSのような物流企業は当時も今もない。

それに比べ、Amazon.comはどうだろう。
創設者のJeff Bezos氏は、自家用車で初めての注文に応じたという。
しかし、Bozos氏は、老舗の物流企業、UPSへ頼めば
荷物はきちんと配達され追跡も可能なことを知っていた。

OZONは主なソフトの更新を行い、9月に荷物の追跡業務を立ち上げた。
更新されたソフトは地域の配送業者が使う
全国的な配送ネットワークとつなぐこともできる。

Gavet氏によると、そういった基本設備の導入により、
自社以外の配送業務システムも展開中だという。
事実上、小売業以外のビジネスを行えるUPSのような組織を作ったのだ。

OZONは自宅や指定場所まで配達するという確実な方法がない状態の中、
顧客に動いてもらうという選択肢を提示することを決めた。
その結果、今や多くの実店舗を持ち、そこで新聞や雑誌から花に至る
あらゆるものを売ることができる。

さらには配達された荷物の安全性を保つという問題を解決することもできた、
とGavet氏は述べた。

同社はピックアップポイントの数を倍の4,000か所以上にすることを計画している。
「ピックアップポイントは、配達網の拡大には欠かせない。
私が驚いたのはAmazon.comにそういったアイデアがなかったことだ」と同氏は述べた。

同氏はまた、自身が読んだAmazon.comのロッカーシステムを称賛する
米国やヨーロッパの技術誌を偏狭的だと一笑に付した。
Amazon.comのロッカーは、セブンイレブンや
街角の同様の店とタッグを組んで配達サービスの役割を担っている。
顧客は暗証番号を入力し荷物を回収する。

同氏は「弊社はAmazonより随分前(3年前)にロッカーを設置したわ。
それも現金制よ。」とも述べた。

ロシアでは、(といっても米国以外の世界の大半だが)
着払い方式がふつうに残っている。
それはOZONに確実に現金が入ってくる方法があるということを示している。

ネットへのアクセスが難しい場所では従来通りの買い物方法だ。
OZONはそういった地域の顧客を受け入れるため、
売上の10%以下ではあるが、電話での注文も受け付けている。

Gavet氏によると、Amazonが行っているような配達をロシアで実践するには
多くの作業が必要であるという。
ロシアでそういった本質を守るということは、
作業の他に多くの書類処理が発生する、という。

昨年のOZONの年間売上は、Amazonの1%あまり7億5000万ドル(769億円)で、
オンラインショッピング業界では未だ小さな存在だ。
しかし、1億4000万人以上の見込み客とそのシステムを維持できたなら
巨大化するだろう。

「私たちが立ち上げたのはサイトだけではなく、その裏の面も表の面も立ち上げた。
また倉庫や配送、コールセンター、そして支払システムも立ち上げた。
基本的なビジョンは変わっていない。
変えるのはどのようにして消費者をそこへたどり着かせるかだ。
なぜなら解決せねばならぬ問題がまだあるからだ。」
とGavet氏は述べた。

Wiredより引用
http://www.wired.com/2014/05/ozon-ceo-maelle-gavet/