楽天が4日に発表したところによると、
2014年半期決算は売上は増えたものの、純利益は減少となった。
国内では好調を維持しているが、成長をキープするために
楽天は海外市場を目指している。

しかし海外に目を向けると、
アメリカではアリババが上場しようとしており、楽天の行く手を阻む。
Amazon.comやeBayといったアメリカ市場の大手もいる中、
楽天の世界展開はどういった側面を見せるのか。

4日に開かれた決算会議では、楽天の三木谷社長は
「海外の取引総額は目覚しい成長を見せている」と強調した。

楽天は2008年の台湾進出を手始めとして、
10カ国以上の国でプラットフォームを展開している。

2014年第2四半期のeコマース層売上は、
前年の同時期に比べ32.5%増となった。大きく成長してはいるが、
額面では200億円と、国内の売上規模の20分の1を下回る。

楽天は国内ではeコマース事業をはじめ、旅行事業、
金融サービスなどの複合サービスを展開しており、
年間売り上げは6兆円にもなる。
この「経済圏」を、海外でどのように広げていけるかが勝負だ。

日本での成功事例を台湾にも移植するため、
楽天は4月、台湾でクレジットカード事業に乗り出した。
これは日本で成果を挙げたeコマースと楽天カードのモデルに習っている。

アメリカでもカード事業を展開し始めたところで、
この流れを世界各地に広げていく計画だ。

東南アジア地域に注力してもいる。
1月にはシンガポールでeコマース事業に参入した。
2014年内にスタート時の出店数100から300店舗まで増やし、
5年以内にシンガポールでNo.1のプラットフォームを目指している。

しかし楽天の海外戦略の強敵となるのが、アリババの存在だ。
5月にシンガポール・ポストと提携したアリババは、
シンガポールポストの東南アジアでの力強い華僑ロジティクスを生かし、
約3千万人を数える東南アジア華僑を取り込む作戦を立てている。

また、6月には11Mainでアメリカに進出した。
招待制で特色を持たせた2000店舗が出店している。

両社は一見似ているが、楽天とアリババでは事業モデルが異なる。
楽天は店舗のサポートをするが手数料をとるが、
アリババは出店料は無料で収益源は広告料だ。

しかしそういった違いはあれど、国内で成功したモデルを
海外に移植しようとする意思は同じだ。

楽天にとってアリババはすでに障壁となっている。
楽天は中国進出からわずか1年半で撤退した。
アリババは中国内で非常に強力な決済サービスを展開しており、
これを使用しなかったため消費者を呼び込めなかったと言われている。

しかし楽天は2月に無料チャットアプリ「バイバー」を買収し、
攻勢をかけたい構えだ。バイバー利用者は世界で4億人、
そのうち3割をアジアが占めている。

楽天はバイバーと会員IDの統合を勧めており、
楽天ポイントをバイバー会員に付与することで
消費者の呼び込みをはかっている。
この利点はアリババやAmazonにはないものだ。

しかしライバルたちもあの手この手で
攻勢をかけてきていることに変わりはない。
「楽天経済圏」モデルを世界で成功させるには、
より迅速な行動が求められる。

NIKKEI ASIAN REVIEWより引用
http://asia.nikkei.com/Business/Companies/Rakuten-s-global-ambitions-face-a-giant-problem-Alibaba