楽天をおびやかすAmazon
好調を走る楽天を猛追するのはAmazonである。
1.7兆円といわれる楽天には及ばないが、
Amazonの日本における2013年の年間売上高は推定7600億円。

Amazonの業務形態は2つのモデルを持っている。
在庫商品が約1億品目を超える直販ビジネスと、
売り手と買い手が自由に取引できる「マーケットプレイス」だ。

マーケットプレイスの出店数は約16万以上とみられる。
楽天の出店者数は4.1万弱であり、
出店数ではAmazonに及ばない。

Amazonは先進的な流通システムを武器とする。
ロボットを使った巨大な倉庫を活用し、
即日翌日配送サービスを拡充しているのだ。

圧倒的な在庫数と出店者の多さが集客力を高め、
それがさらなる品揃え、出店数増加につながるという
好循環の流れが生まれているといえる。

物流システムへの投資を進めている楽天だが、
配送能力についてはAmazonには及ばない。
品揃え、出店数、集客数をどのように増やしていくかが、
今後の楽天の課題となるであろう。

楽天は新しいエコシステムをつくれるか
ネットでは強い楽天も、
リアル小売業との提携や物流への取り組みは
走り出したばかりだ。

楽天には、大きく2つの事業がある。
ひとつは、売り上げの57%を占める
楽天市場などのネットショップサービスであり、
営業利益率はおよそ15%。

もうひとつは37%を占めるネット金融サービスであり、
営業利益率は20%を超える。

楽天は、この2つで事業者と消費者双方の利便性を追求する。
ネットショッピングに金融サービスを連携させ、
楽天経済圏というエコシステムを導入した。

このエコシステムは、楽天内の他事業、
旅行、銀行、証券、クレジットカード、電子マネー、
さらに、リアル小売業など複数のサービスを
共通ポイントで関連づけて、業績アップに導いた。

楽天のエコシステムが成果を上げていることへ対抗し、
セブン&アイはオムニチャネル化で攻勢に出る。
圧倒的な集客数と幅広い世代を網羅する物流システムが武器だ。

一方、Amazonは膨大な品揃えと出店数、
そして、革新的な物流システムで追い打ちをかける。

好業績を維持する楽天も安穏とはしていられない状況だ。
楽天経済圏を発表して4年あまり。
今後はさらに楽天らしい、エコシステムの創造が期待される。

「ビジネスジャーナル」より引用
http://news.livedoor.com/article/detail/9038843/