ロシアのeコマースやディスカバリーコマースの
スタートアップ企業は、豊富にある機会と
投資を求めて、米国市場に注目している。

ロシア、ウクライナを拠点とするスタートアップ企業、
2for1も、そんな企業のうちの一つだ。

訪問者が最も多かった、米国及び欧州の
オンラインショップ15店のお買い得品を
集約したウェブサイト及びアプリを提供している。

Gapやナイキ、H&Mなどで最大バーゲン品を
ふるいだし、該当するショップのページへ、
ユーザーをリダイレクトするというものだ。

2for1アプリは、ここ3か月間で5千回
ダウンロードされていると言う。

「ロシアとウクライナでは、米国から衣料品を
購入する消費者が多いため、同地域の
消費者のために、割引価格の商品を探して
提示するというのが、当初の考えだったのです。」
と、創設者のAlexey Romanenko氏は言う。

ところが蓋を開けてみると、アプリをダウンロードした
ユーザーの大半が、米国在住者だったとのこと。

米国アパレル市場の総計額は2500億ドル
(約30兆円)であり、欧州連合に次いで2番目の規模だ。
ロシアは現在、40億ドル(約4806億円)で7番目では
あるが、不況の影響を受け、規模が縮小し続けている。

Romanenko氏は6か月間、米カリフォルニア州の
シリコンバレーで過ごした経験がある。
同氏によると、米国のベンチャー市場はより予測可能で、
すぐに利益を挙げるよう、投資家が起業家に
プレッシャーをかけることはないと言う。

ところがロシアでは、すぐに利益が期待できる企業にしか、
投資家は興味がないのだそうだ。

ディスカバリーコマースのスタートアップ企業は、
ロシアよりアパレル市場が発展した米国に
可能性を見出しているのだ。

しかし専門家達は、米国市場へ新たに参入する者にとって、
競争率の高さや、市場が飽和状態であることが、
大きな障害になるだろうと見ている。

挑発的な言動で知られるロシアの実業家Oleg Tinkov氏も、
海外へ進出する若いロシア人起業家達の可能性について
悲観的だ。ビジネス誌のインタビューで、

「米国市場がロシアよりもはるかに競争が
激しいということを、彼らは理解していない。」
と語っている。

ロシアが発端で成功しているスタートアップ企業には、
Facebookにも対応、ECサイトを簡単・安価に
構築できるサービスを提供するEcwidや、
フライト運行状況から空港ガイドまで、ユーザーが
利用するフライト全般をサポートするアプリ
「App in the Air」(日本非対応)、
最長10秒のループビデオの作成・共有サイトで
世界的に知られているCoubなどがある。

RUSSIA BEYOND THE HEADLINESより引用
http://rbth.com/science_and_tech/2015/04/10/russian_e-commerce_startups_look_westward_45133.html