中国e-コマースの巨頭Alibaba。
16日に同社が第1四半期の画期的業績
(前年同期比66%増の$30.6億=約3060億円)を発表するやいなや、
その24%を保有する親会社Yahooの株価が9%上昇、
同日 Nasdaq市場で最も取引きの多い銘柄になった。

これは近く予定されている
Alibabaの米国上場を期待した動きと取れる。

2013年通期で売上げ$79.5億(約7950億円)、純利益 $35.4億(約3540億円)
(利益率44.5%)を記録した同社の市場価値を
某アナリストは$1900億(約19兆円)と見積もっている。
AmazonやFacebookを抜いて、e-コマースで世界一になる数字だ。

Alibabaをそこまで成功させた秘訣は何か?

第一に、650万の業者、3億の顧客と取引きする、
中国で最も成長の著しいオンライン小売リーダーであること。

同社の主な通販サイト(TaobaoとT-Mall)は
Amzaonと eBayを合わせた以上の販売規模を誇り、
世界最大の消費市場と言われる中国の小売市場の推定5%を占める。

中国の経済成長から恩恵を受けていることも大きい。
ピークは去ったとはいえ、中国の過去10年の消費は年率9%で増加している。

4月16日発表のGDPデータからは
一般消費の根強い成長が読み取れる。
2013年第1四半期に中国人の可処分所得は
都市部で前年同期9.8% 、農村部では12.3%の伸びを示した。

成長期の中国社会から得るばかりでなく、
与える動きもあることがAlibabaのユニークなところだ。
具体的には、信用のおけない国で
信用販売の文化を作り出したことだ。

その延長にはクラウドコンピューティングと、
ビッグデータを使って顧客ひとりひとりの信用記録を作る、
という野心的計画がある。

同社の創業者兼会長のJack Ma は、
その計画について11月のネット経済フォーラムで語っている。

Alibabaは経済改革の主導者でもある。
中国の銀行は、世界で最も貯蓄意欲が高いといわれる人々から
多くの預金を獲得しながら、
最低の利息しか払わず、独占者の利を得てきた。

「銀行が変わらないなら、ぼくらが変えてやる」
と宣言したMa氏は、銀行の2倍の利息を約束した
オンライン投資商品Yuebaoを販売し、消費者により良い選択肢を提供、
既得権者に挑戦している。

経済成長に陰りが見え始めた中国でAlibabaの成功は、
独創的な民営企業の力が、
古くから社会に根付いてきた商習慣や
ビジネスモデルを変えることができるという希望の証だ。

businessspectator.comより引用
http://www.businessspectator.com.au/article/2014/4/17/china/secret-alibabas-success