雑誌『フォーチュン』と『フォーブス』に最近取り上げられた
スタートアップ企業に、Flower Museがある。
夫婦経営の小規模オンライン・フラワーショップで、
「花農場からの直接宅配サービス」が売りだ。

共同経営者である夫のBen Creighton氏と妻のEllie Hsu 氏は、
小規模企業の良さを残しながらも、
「ザッポス(Zappos)のフラワーショップ版」でありたいと言う。

ザッポスは米国の靴のオンラインショップで、
2009年にAmazonに買収されたが、
優れたカスタマーサービスで知られている。

1-800-FlowersやProFlowers.comなどの大手
オンラインショップの出現により、昔ながらの家族経営の
フラワーショップは街角から姿を消しつつあるが、これら
大手のオンラインショップには2つ欠けている点がある。
それは、個人的なカスタマーサービスカスタマイズだ。

Flower Museが目を付けたのはこれらの点であり、
新世紀世代に魅力の「農場から直接家庭へ」といった
トレンドに見合った、これまでに無いサービスを提供している。

既存の大手ショップとは異なり、中間業者を通さず、
パートナーである花農家から直接顧客へ配達することで、
倉庫に留まることなく、新鮮な花を届けることができるのだ。

しかし同社には、ほとんどのスタートアップ企業にとって
成功の要となるスポンサーがいない。

Creighton 氏とHsu 氏は、良い製品を作り上げるには、
その製品を良く知る者が関わるべきだと考える。

彼らは花そのものやビジネス、顧客との関わり方に熟知している。
個人的に知る花農家のみと契約し、顧客の質問には
オンラインや電話で個人的に対応する。
送料は金額に関係なく無料だ。

Flower Museは今や、収益が数百万ドルに成長している。
顧客が魅力を感じる地元の専門店をオンラインで
再現することができれば、AmazonやeBayなどの大手とも
肩を並べることができるということを、同社は証明したのだ。

ユニークな形でディスカウントを提供する1Sale.com の
シニアバイスプレジデント、Eliyahu Federman氏は、
なぜ家族経営の店舗にもオンラインで成功する可能性が
あり得るのか、彼の視点から語る。

「従来型のマーケティングではなく、ソーシャルメディアや
eBayなどの既存のプラットフォームを活用すれば、
コストを抑えることが可能だ。」

また、大手オンラインショップが幅広い商品オプションを持つ一方で、
個人的で小規模なショッピングの良さを知る顧客層も未だに存在すると言う。
まさにそこが、既存の小規模オンラインビジネスが入り込んだ隙だ。

では、他にも何かあるのか?

これまで、システム投資へのコストが
ショップオンライン化の障壁となっていた。
しかし、小規模ビジネスに手を貸す企業が増え、
eコマースのオプションが増えた。

手頃な価格のソフトウエア技術の革新により、
低予算でも主要なeコマース体験を提供できるようになったのだ。

eコマースソリューションを提供する
Symphony Commerce社のCEO、Harish Abbott氏も、

「小規模ビジネスは、高品質なインフラへのアクセスを
支援する企業と提携するのが良い」
と言う。

長年の間、eコマースが地元の家族経営の専門店に与える影響が
危惧されてきた。確かに、オンラインショップでは、
ふらっと立ち寄るなどということはできない。

しかし、それと似たような体験をすることは
可能なのだ。

小規模ビジネスにもオンライン市場で成功する可能性はまだありそうだ。
事実、Flower Museなどは、繁栄のチャンスが真っ盛りのようだ。

PYMNTS.comより引用
http://www.pymnts.com/in-depth/2015/the-small-business-e-commerce-edge/#.VNx1-PmsWZ4