フランスのパスツール研究所の分子生物学者から、
チベットの山に入信し、僧侶となったマシュー・リーカル氏。
異色の経歴を持つ彼が「幸福について」語るのがこのプレゼンテーションです。

幸せ・幸福とは何か、どこにあるのかを考えるのがこの講義。
人は幸福というと喜びと考えてしまいがちですが、
国によって、思想によって、あるいは人によって、
幸福の定義は異なり、幸福の在り方は実に多彩です。

普段、人は幸福をあまり意識せずに暮らしています。
しかしそれでは幸福を見逃してしまう可能性が高く、
もしかしたらそれに背を向けてしまうかもしれません。
だから、幸福とはどういった状態なのかを知る必要があるのです。

幸福とは、満ち足りた状態です。
ただし、満ち足りたというのは心の状態であり、
幸福は外界から与えられるものではありません。
たとえパラダイスに住んでいても、幸福でないことはあるのです。
内面の幸福をどう育むか、これによって人の幸福度は変わってきます。

わたしたちが幸福を得るためには、心を変容させる必要があります。
自分自身を内観し、怒りの感情を解消する、これを繰り返すことが心の訓練であり、
これができれば怒りの感情は段々と小さくなっていきます。
そして、瞑想は心の変容のためにあるのです。

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科学的な実験でも瞑想による心の鍛錬によって、
人は感情的な反応を制御できるようになることが証明されています。

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人は普段、心の動かし方について熱心に考えることはありませんが、
精神鍛錬は人生の質を決定づける重要なものです。

この考えに基づき、リーカル氏は、慈善活動を行い、多くの人を救っています。
そして、彼は言葉以上に幸福について語ってくれる美しい表情をたくさん見てきました。

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幸せになるためには、人はまず内観という観念を身につけなければなりません。
TED Ideas worth spreading* より引用