最近の調査によると、ここ何ヶ月かの低調な成長ぶりのせいで、
小売業者にとっての中国EC市場の魅力にかげりが見えているという。

コンサル会社のAT Kearneyの調査・ランキングにおいて、
中国は本土e経済の低調な成長、またインフラ投資への関心の高さ、
輸送面の強化、中国e経済に貢献すべき小都市の購買力、
こういった要素においてアメリカにトップの座を奪われている。

アメリカのeコマース市場は2380億ドル(約28兆円)規模で、
今年2015年は2014年に中国に奪われたトップの座を奪い返した。

アメリカ市場の持続的な成長、経済に復調の兆しが見えること、
消費欲が高まっていることががその主因であると、
同調査は述べている。

調査は毎年発表され、今年のランキングでは中国に次いで
イギリス、日本、ドイツが続いている。

「中国eコマース市場は拡大し続けているが、
成長率は下がってきている。
しかも、将来的な成長は地方の第3都市や第4都市によって賄われる。
それなのにインフラ投資、輸送面の強化に疑問がある。
そういった要素はeコマース成長と消費者の消費額に大きく影響する」

と調査では述べられている。

さらに特筆すべきなのは、中国では配送条件や手段が、
目的地によって大きくことなることだ。
特に玄関先に届くまでの数キロの部分は。

小売業者はしかも、返金や返品に対する
消費者の要望への対応が遅れている。
最近ではファッション業界では改善されてきているようだが。

しかし明るい面もある。中国人消費者は社会現象として
eコマースを受け入れてきており、
それは独身の日のアリババの目覚しい業績
(1日で93億ドルの売上、中国の年間eコマース総売上の7%に相当)
にも見てとれると、調査では述べられている。

ここ数年の間トレンドとなりそうなのは、
アリババやTencentなどの国内大手による貪欲な買収合併だろう、
と調査は予測する。
というのも、これらの企業は常に市場シェア拡大に意欲的だからだ。

JD.comやTmallなどのBtoBウェブサイトは、
タオバオのようなCtoCウェブサイトよりも成長率の伸びがいいだろう。

中国国内の買い付け人は、よりよい商品とサービスの質を求め、
サイズの大きいウェブサイトに向かう傾向があるからだ。

中国政府は消費者の購買意欲を炊きつけようと、
技術的な面や法律的な面から
停滞気味のeコマース産業を支援している。

South China Morning Postより引用
http://www.scmp.com/lifestyle/technology/e-commerce/article/1758719/retailers-favouring-us-e-commerce-market-over-chinas