エチオピアは硬い岩盤の土地で
井戸を作るのはコスト的にむずかしい。
飲料水を手に入れるために
瓶を抱えて何キロも歩かなければならなかった。

デザイナーのアルトゥロ・ヴィットリ氏は
朝霧の水分を集めて飲料水にするという
高さ約9mの給水棟「WarkaWater」を編み出した。
エチオピアに自生するワカ(Warka)の木からヒントを得て、
この給水塔をデザインしたことからこの名がついた。

給水塔の材料となるものは、ほとんど現地で調達できる。
外骨格になるのはイグサや竹などの植物。
水を集めるのはナイロン製の網。
そして、土台部分には水を貯めるボウルがある。

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大気中の水分はオレンジ色の網にとらえられ、
網の繊維を伝って少しずつボウルに集まってくるという仕組みだ。
これで1日に25ガロン(約95リットル)以上もの飲用水をつくることができる。

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大気中の水蒸気から飲料水ができる様子。

WarkaWaterの製作費用は1基あたりおよそ550ドル。
4人で作業すれば1週間ほどで完成させることができる。
ヴィットリ氏はWarkaWaterをエチオピア全土に広げたいと
現在、資金提供者を探しているそうだ。

電気をまったく使わないローテクなこの給水システムは、
飲料水確保がむずかしい地域で
人々の命をつなぐことができるのかもしれない。
WarkaWaterの構想過程を紹介する動画はこちらから。

grapeより引用