オンライン決済システムや物流網の未発達が
eコマースのネックになっている南部アフリカ。
厳しい市場環境の中で徐々に力をつけて
有望視される企業が出て来ている。

その代表ともいえるナイジェリアJumia社のCEO、
Jeremy Doutte氏に業界の現状や同社の展望について聞いた。

2012年5月に創業したJumia社 は
スエーデン資本のKonga社と共に
同国のオンラインショッピングの二強、
合わせて推定2百万の顧客を抱える。

共にアフリカ版Amazonをめざし、
Amazonモデルを踏襲したが、
物流網やオンライン決済システムの未発達、資金不足で断念。
「着払い」をメインにするなど、独自の道を行くことを選んだ。

ナイジェリアでは、
「品質の高い商品を手の届く価格で提供できる小売り業者が不足している。
欲しいものがあっても売っているところがなかなか見つからないし、
見つかっても在庫があるという保障はない」とDoutte氏は言う。

市場はずっと小さいながら小売店が多数充実している
モロッコなどの北部アフリカとの大きな差だ。
そこでオンラインショッピングが強力な選択肢になる。

あらゆる分野のすべての商品群を提供しているJumiaだが、
ナイジェリア人の体型にあったスタイルや
好みの色を取り揃えたブランドである
Grey and Even Tribeなどのファッションが人気だ。
同ブランドはjumiaを販売の主なチャネルにしている。

それ以上に売れているのは低価格のスマホ。
これは北部ナイジェリでパソコンを使える環境にある人が
わずか6%(businesstech調査)という事情を背景にしている。

Jumia社は中国Innjoo社の低価格のモデルを
中東のデュバイ経由で仕入れ、
自社のアプリを組み込んで顧客にオンライン販売している。

50ドル(5千円)の基本モデルと
5インチスクリーンのついた75ドルのモデルがある。
これまではパソコンと携帯による注文が五分五分だったが、
最近では携帯が53%とわずかに増えた。

Jumia社は16の配送センターと小規模倉庫で全国を網羅している。
正社員数は1200人、契約営業スタッフは800人、
オートバイとトラック計800台を配送に向け、
北部の都市Kanoへも2-3日以内に商品を届けると言う。

現在注文の6割はラゴス市内から来ているが、
市外からの注文を増やす「商域拡大」と顧客の満足を高めるために、
倉庫の大型化、輸送・追跡システムの強化を計画中だ。

ナイジェリアへの投資や現地での起業を考えている
外国人・企業の誤解をDoutte氏は指摘する。

それは
1. 操業コストが安い
2. 競争が無い
3. イノベーションが容易
の3つ。

実情は全て逆で、コスト高と、地場企業との厳しい競争、
改革の難しさを心得て強く賢く商売をしないと生き残れない。

質の高い人材の不足も問題だ。
だがナイジェリアの商機の大きさは、
それらを克服する努力に値する。
「eコマースは今後期待の大きな買い物形態」だからだ。

businesstech.co.zaより引用
http://businesstech.co.za/news/internet/71676/making-e-commerce-working-in-africa/