世界最大のeコマース企業アリババが、ついにインドへ進出した。

アリババの関連会社で、オンライン決済サービス「アリペイ」を運営する
Ant Financial Services Groupは5日、
インドでオンライン決済及びオンラインショップを手掛けるPaytmの親会社、
One97 Communicationsの株を25%取得する契約を結んだと発表した。

出資金額の詳細は明かされていないが、
まずは株式取得に2億ドル(約238億円)を出資し、
業績や目標達成度を基に3.75億ドル(約446億円)を投入していく模様だ。

デリーに本拠を置くPaytmは、衣料品などを割引価格で提供する
マーケットプレイスや、携帯電話のリチャージ、各種チケットの
予約・購入などを提供、ひと月の注文数が約2500万、
モバイルウォレットの利用者は2300万以上に上る、
インド最大のmコマースプラットフォームだ。

Ant Financialのバイスプレジデント、Cyril Han氏は、
投資の理由をこう語る。

「インドは人口10億人と、中国と同じくらい規模が大きく、
極めて重要な市場だ。スマートフォンの利用者は増加しており、
決済やショッピングに利用する人々もますます増えて行くだろう。」

財務詳細については両社共明らかにしていないが、関係筋の話では、
今回の契約でOne97 Communicationsの株の評価額は約8億ドル
(約952億円)とされている。目標達成による更なる資金注入により、
今後は15億ドル(約1786億円)に上昇する可能性もあると言う。

インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)の調査によると、
インドはアジア太平洋のスマートフォン市場で最も急成長している国だ。
スマホ市場の成長は、同国のオンライン決済業の成長にもつながり、
2007年以降、年間成長率は約50%に上る。

Paytm の創設者であるVijay Shekar Sharma氏は、

「アリババとの契約は、インドモバイルコマースと
モバイル決済の展望を変えることになるだろう。」
と言う。

今回の契約は、Paytmがインドにおける決済エコシステムを
構築する足掛かりとなる。
契約で得た資金は、モバイル決済ビジネスの成長と
ユーザーベースの増加や、モバイルオペレーション・テクノロジーの改善、
全国的な配送確保のための、宅配業者を統合するプラットフォーム、
また、顧客獲得とマーケティング活動の改善に利用される。

一方でHan氏もまた、Ant Financialの、中国での10年間に及ぶ
豊富な経験が、Paytmのユーザー経験やリスク管理を強化するのに
役立つと言う。

The Economic Timesより引用
http://articles.economictimes.indiatimes.com/2015-02-06/news/58878976_1_paytm-alibaba-25-stake