Amazon.comが自社配達の方向に舵を取るだろうという見通しは、
一見、UPSやFedEXにとって大きな問題のように見えるかもしれない。

しかし、実際はAmazonの自社配達分はわずかで、
当面の間、ほとんどの荷物は引き続き他社によって配達される見込みだ。

また、他の小売業者はAmazonと対抗するために
よりいっそうUPSやFedEXへ依存することとなるだろう。

Amazonの次なる大計画
Amazonの最優先課題は、配達許容量問題が企業成長の妨げにならないようにすることだ。
CEOのJeff Bezos氏は最近の株主向けレターの中で、
現行の物流会社はピーク時の出荷量に対応することができなかったため、
英国内での自社配達網を築いている、と記している。

恐らく2013年のクリスマス時期に起こった混乱が
この配送見直しのきっかけとなったのだ。

予想以上にeコマースが成長したことと悪天候が重なり、
UPS(若干ではあるがFedEXでも発生)はクリスマスが迫るにつれて
配達に混乱をきたした。

その結果、Amazonの顧客の中には
期日のクリスマスまでに荷物を受け取ることができなかった人もいた。

もしAmazonがより良いサービスを確実に提供したいのなら、
配送問題に積極的に関わるべきなのかもしれない。

Amazonと物流業界最大手
UPSとFedEXにとって、Amazonは大きな取引先ではあるが、
失ったとしても幸いにも損失はそう大きくない。

昨年度のAmazonの配送経費は総額66億ドル(6750億円)だった。
しかし、その全てが米国内で発生したの配送費とは限らず、
また、米国での配送費の全てがUPSやFedEXに支払われたものでもない。

ということは、AmazonはUPSやFedEXの収益
(両社合わせて年間歳入は1000億ドル以上(約10兆円2000億円)
にとってほんの一部でしかなく、利益率も決して高いものではない。
大口荷主であるAmazonは当然、好条件での取引を行っているはずだ。

さらに、AmazonがUPSやFedEXと完全に手を切るには多くの問題がある。
顧客宅への荷物の配達業務は非常に難しく、
そして大きな資本を必要とするビジネスだ。

Amazonがテスト市場において徐々にそれらの問題を解決することができれば、
配達網の拡大は可能なのかもしれない。
とは言え、配送車費用を賄えるだけに十分な配送があるのは大都市だけだろう。

Amazonは国内の大部分の地域でUPSやFedEXへ頼らざるを得ない。
顧客が広範囲におよぶことから、UPSやFedEXはAmazonの自社配送より
多くの荷物や封書を運んでいる。
ちなみにUPが昨年、配達した荷物の数は43億個だった。

後半へ続く

The Motley Foolより引用
http://www.fool.com/investing/general/2014/05/03/amazons-going-the-extra-mile-to-deliver-your-packa.aspx