Amazon.comが2004年に
中国大手オンライン販売サイトのJoyo.comを買収、
中国への進出を果たしてから10年以上が経つが、
以来、同国で急成長し続けるeコマースという戦地で、
勝算なき戦いを続けている。

ライバルである国内企業のアリババ・グループとJD.comは、
今や市場の約90%を支配しており、世界最大手の
オンライン小売企業でさえ、入り込む余地は
少ししか残されていないのが現状だ。

そこでついにAmazon.comは、
その最大のライバルであるアリババに屈するかのような、
新しい戦略を打ち出したのだ。

今月5日、Amazon.comは、
アリババ・グループが運営するオンライン・ショッピングモールの
Tmall.com(天猫)上に、新ショップを開設した。
提携にこぎつけるのに、2年かかったと言われている。

新ショップでは、食品やキッチン用品、シューズ、
玩具など、海外サプライヤーから直接調達した
商品が販売され、タオバオとTmall.com が持つ
3.3億人のアクティブユーザーの目に触れることになる。

タオバオとTmall.comは、多くの国際的ブランドが
オンラインショップを運営する際のプラットフォームにも
なっており、ヒューゴ ボス(Hugo Boss)の
アパレルラインであるボス オレンジ(Boss Orange)や、
会員制の倉庫型卸小売チェーンのコストコなどが
出店している。

Amazon.comの収益のおよそ38%は、
国際市場によるものだ。
中国消費者の輸入品に対する購入意欲の高さにも、
同社は以前から準備してきていた。

貿易ルール軽減の恩恵を受けることを期待し、
8月には上海の自由貿易区で運営を開始し、
11月には、Tmallでキンドルの販売を開始している。
今回新設されたショップは、ブランドの知名度を
高める機会となる。

アリババ側は、
「Amazon.comの出店を歓迎する。同社の出店により、
商品の選択肢が更に広がる。Tmall.comを利用する
中国消費者のショッピング体験がより高まることに
なるだろう。」
と言う。

米Forrester Research社のSucharita Mulpuru氏は、
こう指摘する。

「アリババが中国のeコマース市場を独占していることは
周知の事実だ。魚のいる場所へ魚を釣りに行くのと同じ。」

Forbesより引用
http://www.forbes.com/sites/ywang/2015/03/05/chinas-jd-com-ventures-into-the-smart-home-market/