中国の新たな保税倉庫政策の一番のメリットは費用が低いということである。
消費者は海外の工場から直接商品を購入するので利益率は変わらない。

従来の店舗販売では、工場、卸売業者、流通業者や
スーパーマーケットといった中間業者がいるため費用が嵩む。
「しかし、我々の中間業者は倉庫しかない」とTmall Globalは話す。

工場から消費者の自宅へ小包で配送する場合、
商品を保税倉庫にまとめて輸送することで物流費用を10%減らすことができる。

個別に海外から輸入した商品は数週間要するのに対し、
中国の保税倉庫に預けられた商品は
中国の主要都市であれば3から7日で消費者に届けられる。

保税倉庫を経由する商品は標準的な商業輸入課税の対象となっていない。
代わりに、政府は商品の種類に応じて商品価格の10から50%の「個人輸入税」を課している。

また、納める税金が50人民元(約800円)未満の小口注文の関税は免除される。
実際に、保税倉庫を経由して配送される国際取引商品は、
通常の輸入より納税額が極めて少ない。

このプロジェクトの下、Tmall Globalは免税地区で処理された注文に対し
20人民元(約320円)以下の物流費用を業者に課している。

また、アリババグループのCainiaoスマートロジステックスが
仕分け、配送や通関手続きといった全ての物流を処理している。

国際取引商品に課税しないことにより、地元政府の財源が減ってはいるが
保税倉庫を雇用機会を生み出し地元経済に貢献するものと
位置付けることで関税政策に賛同している。

保税倉庫モデルが全ての商品に適合する訳では無い。
しかし、該当商品を販売する海外業者にとっては、
保税倉庫を通して国際販売することで在庫を抱えるリスクを軽減することができる。

実際にどんなことが有効なのかはまだ試験中だ。現在、
杭州保税倉庫プロジェクトでは数十の卸売業者がTmall Globalで商品を販売している。

最終的に、消費者が適切な価格で欲しい商品を購入できたかどうかで
プロジェクトの成功が決まる。消費者の国際商取引の認識を高めるために、
Tmall Globalは今後、特別なキャンペーンの実施を予定している。

Internet Retailerより引用
http://www.internetretailer.com/commentary/2014/07/15/boring-china-warehouse-future-global-e-commerce