ここ数年、中国富裕層による
外国製高級品の消費ブームが話題だが、
高級品の人気は、実は話の一部に過ぎないらしい。

アリババグループで、海外販売業者の中国eコマースの
プラットフォームとなっているTmall(天猫) Globalが
最近実施したオンライン消費者の調査によると、中国本土の
斬新な消費者の中には、デザイナーブランドを見せびらかすよりも、
ごく普通の物だが国内では値が張る商品、或いは手に入らない商品を、
欧米諸国から購入したいと願う傾向があるとのことだ。

これは、中国進出を考えている米国小売業者にとっては朗報である。
2013年、中国の消費者は1090億ドル相当の米国製品を購入、
世界第3位の米国製品輸入国となった。

それだけではない。
世界的な経営コンサルティング会社、
Boston Consulting Groupの報告によると、
中国消費者の61%が、米国製品にはよりお金をかけることも
いとわないということが分かった。

では、これら気前の良い消費者が、高級ブランド品以外で
米国から購入したい物とは何なのか?
例えば、赤ちゃん用の粉ミルクだ。

2008年にメディアを賑わせた中国製の粉ミルク汚染スキャンダルは、
中国本土の母親達を海外ブランドへと走らせるきっかけとなった。

マタニティ用品やベビー用品についても
信用が求められるようになったため、
中国最大手で海外版も展開するTmall.comでは、
海外の売上が上昇している。

事実ベビー用品は、Tmall Globalの販売業者による
海外売上全体でかなりの割合を占めている。

しかし、Tmall.com全般で見れば、
国内サイトでベビー用品を購入する者はほとんどなく、
主な購入品は衣料品と家庭用電化製品となっている。

この差があまりにも顕著なため、
Tmall Globalのスタッフの間で
ベビー用品は、「ゲートウェイ・ドラッグ」
(入門薬物)と呼ばれている。

つまり、オンラインでまず試しに欧米ブランドを直接購入するのに、
もってこいの商品というわけだ。

そしてそれらを試した消費者が、
海外から購入した商品が本物であり、
配送にもそれほど時間がかからず、
またお値打ち価格であることが
分かると、彼らは他の商品にも手を広げるのだ。

同調査によれば、初心者が海外企業から
最も購入したいと思う商品の種類は、
ファッション関連、ベビー&マタニティ用品、
家庭用電化製品、化粧品及びスキンケア製品、
食品及び栄養サプリメントだそうだ。

同調査の回答には、ある共通した特徴が見られる。
海外から商品を購入する中国消費者は、
品質と真正性を求めているということだ。

Tmall Globalでは、
世界中から中国の家庭へ直接、
生鮮食品や冷凍食品を配達することにも成功している。

これは、消費者が欧米の食文化に興味があることと、家族や友人を、
ニュージーランド産のオイスターやアラスカ産のサーモンなど、
質の良い高級食品でもてなしたいためだ。

後半に続く。

Internet RETAILERより引用
http://www.internetretailer.com/commentary/2014/07/31/what-do-chinese-online-consumers-want-buy-us