2013年、中国のeコマース市場は
2980億ドル(29.8兆円)を達成、
アメリカ(26.3兆円)を追い抜き世界一となった。
欧米型生活必需品の需要が牽引する市場の成長力は高い。

中国ではTmallやJD.comといった
大型総合ショッピングサイトが
独立系サイトより存在感を持つ。

規模の経済でサイト運営、
コンテンツ配送網などのコストを吸収、
膨大な広告費を投じて顧客の囲い込みを狙っている。

顧客の信用が薄く購入に至りにくい
マイナーな独自サイトを営むより、
小売業者は大型サイトに便乗するのが割が合いそうだ。

TmallとJD.comはそれぞれ2014年第1四半期現在で
中国のB2C eコマース市場の51%と23%を握る。

JDの登録会員は1.4億、
Tmallは国内一のC2CサイトTaobaoの系列であることから
5億人とつながっている。

これら二大手の特徴や違いを見ることは、
小売業者が中国eコマースを展開する上で重要だ。
TmallはAlibabaが、偽物や安物が蔓延するTaobaoと一線を画し、
ブランド力や利益を高めるために作ったサイト、
独立店の集合体だ。

企業を育てて忠誠心を養わせるという
Alibabaの創業者Jack Ma氏の理念を引き継ぐ一方、
市場の透明度を高め、消費者が売り手の質を把握できるようにしている。
JDは大型オンラインデパート。
JD自体が品質に判を押した品物を幅広く提供している。

Tmallで親会社Alibabaは顧客の経験を良い物にする支援こそするが、
販売の責任を各小売り業者に任せている。
登録業者はそれぞれオンライン店舗を構え、
販促、サービス、配送のすべてを独自に行う。

例えばPantoneのTmall店は自社サイト経由の
インタラクティブ商品選択機能を持ち、
Van’s Tmall は”About Us”ページで
ブランドのルーツでもあるカリファオルニアのパンクシーンを
マルチメディアで紹介している。

一方JDは各店にそのような努力を要請しない。
JD自体が仕入れ値で商品を買い取り、
成長の原動力にもなっている即日配送などを提供、
すべての面倒を見る。その代わりブランド自身は
値段や商品の位置づけ、販促などに口を出せない。

最近はTmallのように個々の業者に店舗を持たせるようにしたが、
対象はまだギター専門店など、ニッチ業種に限られ、
自社ブランドだけではなく、各種ブランドを一括に取り扱う。
商品保証や即日配達などのJDの恩恵は受けられない。

Tmallには最近BurberryやEstee Lauderなど
欧米大手ブランドの出店が増えている。
Tmallが平行輸入品をサイトから閉め出す努力をしていることや、
独自のサイトで顧客を引きつけ購入に至らす労力が減るため、
Tmallへの出店は欧米ブランドの中国での成長の助けになっている。

ただ問題は世界基準を満たす倉庫のスペースが
中国全体でわずか1300万平方メートルしかないことだ。
これは米ボストン市全体のレベルにすぎない。

JDかTmallのどちらを選ぶかは
すべての責任を大型流通店に任せるか、
世界で最も人通りが多く、競争力の高いB2Cサイトに出店するかの選択になる。
その答えは詳細なオンライン市場分析や
ビッグデータをもってしても簡単には出せない。

multichannelmerchant.comより引用
http://multichannelmerchant.com/must-reads/difference-chinas-biggest-b2c-platforms-06082014/