前半に引き続きAmazonとmコマースの関係について。

Amazonとアリババの重要な違いは、
Amazonはモバイル分野の数字をきちんと分析・考慮しないことだ。

しかし一方で、アメリカの消費者の多くはパソコンを所持しており、
Amazonをずっとパソコンから使い続けてきた、という理由もあるだろう。

Amazonのモバイル優先生態系に飛び込もうとする試みは、
今のところは成功しているとは言えないFirePhoneに見てとれる。

FirePhone上のモバイルウォレット機能については、
Amazon広報自らが、
「Amazon Walletのベータ版からは多くのことを学んだ。
教訓を将来に生かして、さらなる革新を続けていきたい」
と語っているほどだ。

しかしAmazon広報が語ることは、
すべての企業がモバイルウォレット機能と、
mコマース戦略がどのように歳入や利益に貢献するのか、
について試行錯誤していることだ。

ウォール・ストリートのアナリストTom Forteは、
モバイル牽引市場は急速な成長と変化に満ちており、
消費者行動が変化に対応していく過程に合わせて
開発を進めるのには時間がかかる、という。

アリババは技術とeコマースの成長に照準を合わせたが、
Amazonは他の事業分野にも広く手を広げており、
それがmコマースとモバイル取引完了総への
開発を遅らせている理由でもある。

しかしそれも単に、アリババが自社のモバイル戦略について
あけっぴろげだからそう見える、というだけのことかもしれない。

eBayの場合

eBayは定期的にモバイル取引完了総額を報告しているため、
そのモバイル戦略を追うのはもう少し簡単だ。

PayPalが独立した際に少し形状が変化したが、
過去5年間の収入報告を見ると、
モバイルとモバイル取引完了総額が
常にキーワードになってきたことが分かる。
2012年時点でさえ、モバイル取引完了総額が20億ドル近かったと報告にはある。

2011年までに、eBayのモバイル売上は50億ドルに達しており、
eBayはその成長について
「モバイルアプリの適応と商品革新が、
カスタマーエンゲージメントを高めた」
と位置づけている。

2012年には、eBayのモバイルアプリ導入は
4百万人の新しい消費者をもたらした。

eBayはさらにモバイル計画を拡大し、
2013年にはmコマース売上は220億円に達し、
それは総取引完了額の40%を占めていた。

同年、モバイル支払い総額は128%上昇し、
mコマース売上は前年比の88%増しだった。

2014年にもその成長は止むことなく、
モバイル支払い成長率は第4四半期で58%増の456億円で、
それは総売り上げの20%を占めた。

「我々はさらにモバイル経験に注力していく、
例えばライブオークションなどについて」
とeBayのCEO・ドナヒュー氏は述べている。

今回取り上げたのは大手3社だけだが、
モバイルが歳入と利益の面で重要性を増していることを
見てとっていただけただろうか。

現在の市場におけるモバイル分野革新は、
すべての消費者の指先にかかっているということも。

PIMNTS.comより引用
http://www.pymnts.com/in-depth/2015/the-mobile-e-commerce-share-shift/#.VNZIFCzF-uI