中国では、1990年代から11月11日を「シングルズデー」と呼び、
独身であることを祝う日とするようになった。
数字の1が並ぶためにこの日になったと言う。

これを利用してアリババは2009年、この日1日を、
独身者が自分へのご褒美を買うショッピングデーとして宣伝し
全国的なeコマースデーへと発展させた。

これに目を付けた米国eコマース企業の中には、
この日の前後に独身者向けの商品の特売期間を設けるものも出始めた。

アリババのマーケットプレイスである天猫(Tmall)と
タオバオの2013年シングルズデーの売上は、
前年の30億ドル(約3471億円)から倍近くの
57億5000万ドル(約6657億円)に達した。

これは米国のオンライン小売業社のサイバーマンデーの売上
17億3500万ドル(約2000億円)と、ブラックフライデーの売上
11億9900万ドル(約1388億円)を合わせた数字をはるかに上回る。

今年のシングルズデーでは、
セール開始から17分で売上が10億ドル(約1157億円)に達したと発表された。
(ちなみに昨年は1時間で同額達成。)この最初の10億ドルのうち48%は、
モバイルデバイスでの購入によるものだったと言う。

アリババグループのチーフ・オペレーティングオフィサーである
Daniel Zhang氏は10月の記者会見で、
他国政府や銀行、郵便事業の協力で、
シングルズデーを世界に広めていくつもりであることを発表、
最近では、同社のブログでその概要を説明している。

概要によると、中国以外の消費者に向けては、
英語の国際ショッピングサイトであるAliExpressで、
シングルズデー当日に100万点以上の商品をセール価格で販売するとのことだ。

配送に関しても、AliExpressの人気が最も高い
ロシア語サイトでは70%以上の商品が送料無料に、
米国の消費者には、注文から3~5日後に商品が
届けられるようにするとのことだ。
支払いも、それぞれの国で一般的な方法を受け入れている。

また、サイト上では消費者がゲームに参加できるようになっており、
賞品として、セール中に利用できる大幅割引券や
eクーポンが当たると言う。

物流面にも余念が無い。アリババが48%の株を保持する物流会社
China Smart Logisticsは、チャイナポストと組んで
AliExpressで販売する中国業者の配送を支援している。
Singapore PostやDHLなど、数々の国際的な宅配便業者とも
協力し合うことになると言う。

またロシアでは電子通関手続きを用いることで、
通常の半分にあたる35日以内に商品が顧客のもとへ届くようになり、
配送の全行程で荷物の追跡が可能となった。

台湾やシンガポールなどの顧客に対しては、
タオバオ国際部門の中の限定商品につき、海外配送料を割引いている。
商品は同地域に8,000か所ある受取場所から受け取ることもでき、
台湾ではファミリーマート、シンガポールではセルフピックアップ・ロッカーを含む。

アリババはまた、今年の買い物フィーバーに備えて米国やフランス、
韓国を含む数か国の政府や業者と合意に達したことを発表、
また海外拠点のネットワークサーバーの数も倍に増やしたと言う。

Forrester Research社のバイスプレジデント、
Zia Daniell Wigder氏は2015年のeコマースを予測する
報告書の中で、シングルズデーの促進は、アリババの
グローバル化計画の一部に過ぎないと記述している。

「新規公開株でドルが山積みになった今、
彼らの目は国外へ向くだろう。」

しかしWigder氏はまた、アリババは、国内市場に
標準を合わせる可能性が高いとも言う。

顧客獲得のコストが低く、マーケットリーダーが定着していない
初期段階の高成長市場では、現状モデルをそのまま用いて
ブランドを構築することが可能でも、米国のような比較的
成熟市場では、一からブランド名を確立するのにコストがかかる。

そのような市場では、アリババは企業買収によって、ブランド認知や
米国市場の見識を得ようとするかもしれないと言う。

Internet RETAILERより引用
http://www.internetretailer.com/2014/11/10/worlds-biggest-online-sales-event-goes-global?p=1