mコマースが登場したばかりの頃は、それがeコマースの生態系の中で
どのような役割を果たすのか、誰にも分からなかった。
しかし2015年現在、モバイルは決済事業にまで足を踏み入れている。

Amazon、アリババ、eBayの3つの巨頭の
mコマース分野への取り組みと成長から
、mコマースがどれだけ取引完了総額
(グロス・マーチャンダイズ・ボリューム)
において存在感を増しているのか見てみよう。

アリババの場合

アリババの2013年第2四半期、
モバイル分野での取引完了総額が総額の4.6%に達した。
この数字は毎四半期ごとにおよそ1-2%の割合で上昇している。

2013年の第4四半期には、その数字は19.7%に達した。
2014年の第1四半期には27.4%、2014年の終わりには42%となった。

2013年9月から2014年9月の間で、
モバイル取引完了総額は950億ドル(約10兆円)を記録。
モバイル取引総数は530億件で、これは前年同時期の213%アップだ。

アリババの副会長Joseph Tsai氏はこう語る。
「iResearch調査によると、アリババは中国の
全モバイル取引完了総額の86%を占めています。
タオバオのモバイルアプリはmコマースアプリのNo.1で、
全中国で最も人気のあるアプリでもあります」

中国は国内市場において、
モバイル分野に最も力を入れている国のひとつだ。
さらにアリババが近年注力している
アメリカ市場においてもそうなるだろう。

アリババの存在はモバイル取引完了総額の競争に激しい競争をもたらし、
他のeコマース企業がモバイル分野に同じような投資をする
きっかけを作るだろう。

Amazonの場合

Amazonの場合は、少なくとも過去5年間の収入報告を見ると、
それほどモバイル第主義ではない。

過去2、3期のひどい赤字のあと、ついに黒字に転じたAmazonは、
mコマース戦略を伸ばす態勢を整えている。

問題は、Amazonがすでに投資モードに入っている現在、
どうモバイル分野の成長を見込むか、だ。

過去5年の収入報告からその答えを得ることは難しい。
なぜならAmazonの収入報告において、モバイル分野は
キーポイントとして扱われてこなかったからだ。
モバイル取引完了総額などというキーワードはひとつも出てこない。

Amazonがmコマースにおいて、アリババと同じような
ブームを作ってこなかったことが見てとれる。

しかし中国のeコマース生態系におけるモバイルの役割とアメリカのそれは、
人口の違いや、モバイルショッピングに入れ込む消費者数の違いからすると、
比べるのが少し難しい。

後半ではAmazonの現在のモバイル戦略、
またeBayのモバイル分野での取り組みを見ていく。

PYMNTS.comより引用
http://www.pymnts.com/in-depth/2015/the-mobile-e-commerce-share-shift/#.VNZIFCzF-uI