波に乗る楽天の業績
EC大手の楽天が業績を上げ続けている。
2013年度の流通総額は約1.7兆円。
前年比で考えると、およそ20%の成長である。

「Yahoo!ショッピング」では
昨年から出店無料化を実施しているが、
楽天の快進撃にその影響はない。
EC界には、まだ拡大余地が十分にあるのだろう。

また、スマートフォンの普及による
「DeNAショッピング」、「LINEモール」などの追撃も
楽天の好業績にはいまだ及んでいない。

しかし、生き馬の目を抜く勢いの楽天にも
立ちはだかり、追随する勢力がある。

立ちはだかるセブン&アイ・ホールディングス
好調楽天の前に立ちはだかるのは日本最大の小売企業、
セブン&アイ・ホールディングス。

日本の年間小売販売総額は約134兆円。
この頂点に立つセブン&アイの売上高は約4.9兆円。
楽天の流通総額の約2.9倍を上まわる。

ただし、楽天が年20%の成長率を維持できれば、
6年後には追いつける見通しではある。

一方、楽天の1日の訪問者数は、推定243万人。
全国1万6000店を擁すセブンイレブンの
1日の来店客数は、約1600万人である。

この小売業界一位のセブン&アイは、
昨年末からネット販売を現行の小売り販売と融合させる、
オムニチャネルを実施する動きに出ている。

コンビニのセブンイレブンを筆頭に、スーパー、百貨店など
約20社で扱う約300万品目の商品を、
どの個店でもネットでも購入できる仕組みをつくる。

多様な業態と物流基盤を最大限に生かすプロジェクトだ。
セブン&アイはこのオムニチャネル化に
5年で約1000億円の投資を行うと発表している。

この動きは、単にEC業界を後追いするものではない。
ネットとリアルの融合による相乗効果を利用した、
複合小売業の流通改革でもある。

リアル店舗の商品開発とこれまで培ってきたサービスを生かし、
そこへ、コンビニの最寄り性と
24時間対応のネットの便利さを対応させるというもの。
楽天には真似できない仕組みが構築できる算段だ。

セブン&アイのオムニチャネル化を受けて
楽天も、今秋から大丸やミスタードーナツなどと提携し
リアル小売へ足がかりをつくろうとしている。

ネットショッピングがリアル小売の市場を脅かす時代は
今、終焉を迎えているのかもしれない。

「ビジネスジャーナル」より引用
http://news.livedoor.com/article/detail/9038843/