楽天がアメリカベースのeコマースアプリ会社、
Sliceを買収した。楽天のアメリカ進出計画の一環とみられる。

買収額は明らかにされていないが、
この買収で楽天はユーザーの購入パターンと、
配送の好みを分析するテクノロジーを手に入れる。

SliceはAmazonやNordstormといったeコマースサイトから
ユーザーがメールを受け取る際のeメールボックスを抱えており、
ユーザーの購入履歴を掌握している。
また配送の際のアラートや価格変動をモニターする機能もある。

「アメリカでの成長戦略はしっかりもっています」
と楽天マーケティングのCEO、飯田恭久氏は言う。

4年前にBuy.comを2億5千万ドル(約250億円)で買収したにも関わらず、
楽天はアメリカで存在感を示してこれなかった。
アメリカではAmazo.com、eBay、アリババといった
ライバルたちとぶつかることになるだろう。

Sliceは楽天を含むベンチャーパートナーから、
3200万ドル(約32億円)の資金調達をしたこともある。

飯田氏は言う。「Sliceのテクノロジーには、
オンラインビジネスをしている会社なら
喉から手が出るほどほしい価値があります。
すべては消費者データに尽きます」

Sliceは70人ほどの従業員規模だ。
ウェブサイトオーナーがSlice提供のソフトウェアをしようする際、
またSliceの顧客データにアクセスする際、使用料をとる。
顧客の使用料は無料だ。

取締役のScott Brady氏が言うには、Sliceは4年前の創業から数えて、
すでに2億件の取引を経てきた。

Brady氏によると、企業はウェブサイトの改良のため、
Sliceの顧客情報を買うことができるという。
特に金融機関にとっては、顧客のクレジットカードでの
購入傾向を知ることは多いに利益になるだろう。

Sliceは楽天ジャパン仕様のアプリ開発を続けており、
今年後半には楽天の国際展開のさきがけとして発表できる見通しだ。

Brady氏は、Sliceが楽天に買収されたことによって、
これまでののパートナーたちが嫌がることはないだろう、と語った。
「結局のところ、企業が欲しいのはテクノロジーなのですから」

WSJ.comより引用
http://blogs.wsj.com/digits/2014/08/08/japans-rakuten-buys-startup-as-it-mulls-u-s-entry/